ETL Mark III
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/05 07:00 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ETL Mark IIIは、1950年代に当時の電気試験所(電総研を経て現・産総研)が開発した、日本初のトランジスタ式コンピュータである。
歴史
ETL Mark III
1954年、電気試験所に米国留学から帰国した和田弘を部長とする電子部が創設された。1948年に発明されたトランジスタを研究する部門であったが、その中の回路技術研究室の高橋茂、西野博二らは1955年からトランジスタによるコンピュータの開発に着手した。
当時はトランジスタ自体が開発初期の時代であり、使用するトランジスタ数を抑えるため、トランジスタ数の多くなる静的論理方式ではなく動的論理方式を採用した。また論理演算はダイオード論理で行い、トランジスタは増幅のみに使うDiode-transistor logic(DTL)方式である。これは真空管式という違いはあるがSEACと同様の方式である。また、研究試作ということで16ビットワードとし、除算回路も浮動小数点演算回路も持たない構成でトランジスタ数を減らした。記憶装置としては、水銀遅延線の扱いにくさを回避するため、光学ガラスを媒質とした遅延線メモリ(128ワード)を使用している。
1956年7月には動作するようになり、日本での電子計算機としてはFUJICに次いで二番目、トランジスタ計算機としては日本初であった。世界的に見ても最初期のトランジスタ計算機である(トランジスタ・コンピュータ#その他の初期の装置等を参照)。
ETL Mark IV
Mark III は点接触型トランジスタを使用していて、動作は高速(加算時間は0.56ms)だったが、点接触型トランジスタの信頼性の低さに由来する故障が多かった。そこで、速度は犠牲になるが、信頼性を高めるために接合型トランジスタを使用した Mark IV の開発が始められた(すぐに接合型トランジスタの性能は向上したが、この時にはまだ接合型トランジスタは点接触型トランジスタより遅かった)。商用化を考慮し、事務用途で使われることを想定して、BCDを基本方式としている。メモリアドレスまでBCD三桁で表現していた。メモリは、クロックが遅いため不利になる遅延式は止め、磁気ドラムメモリを使用した。機械部分はジャイロコンパスで高速回転体の経験のある北辰電機製作所に、磁性体はテープレコーダーの東通工に開発させた。容量は1000ワード(1ワードはBCD6桁、つまり24ビット)とした。1957年11月に完成し、これをもとに電機メーカー各社が製品化している(後述)。また、Mark IV を利用した機械翻訳機「やまと」が開発された。その過程で文字認識装置も開発されている。
- ETL Mark IVベースで製品化されたマシン
- 同機からの技術導入で製作されたマシン
- 北辰電機製作所
- HOC 100 (1958年)
- HOC 200 (1960年)
ETL Mark V以降
- ETL Mark V
- 電気試験所内の計算機需要が高まって、浮動小数点演算回路を持つマシンとして設計。製造は日立製作所が担当し、1960年5月に完成している。HITAC 102は、これをベースで製品化されたマシンである。
- ETL Mark 4A
- さらに改良が続けられ、後に第五世代コンピュータ計画の中心となった渕一博が加わり、ワード長をBCD6桁から8桁に拡大しインデックスレジスタを追加。さらに記憶装置を磁気コアメモリにして1959年開発され、性能が十倍になった。
- ETL Mark 4B
- 各種入出力装置を接続するための専用計算機として1961年開発。Mark 4A と接続してマルチプロセッサシステムを構成している。
- ETL Mark VI
- 超大型コンピュータの研究のため、1959年ごろから研究開始。この過程で様々な新方式を生み出し、後の日本のコンピュータ産業の礎となった。1965年に完成し、電気試験所でのコンピュータ開発は役目を終えた。
Mark I, II

数字としてはMark III以前にMark IとMark IIがあることになるが、ETL Mark IとMark IIはリレーを利用しており「電子」計算機ではない。リレーの特性のために非同期論理回路を採用するなど、Mark III以降とは繋がらない点も多い。
参考文献
- 『国産コンピュータはこうして作られた』相磯秀夫(他編)、共立出版(1985年)、ISBN 4-320-02278-5
「ETL Mark II」の例文・使い方・用例・文例
- Direct Marketingという会社が、私たちの卸売業者となることに同意してくれました。
- この地域では、Direct Marketingは比較的新しい企業ですが、すでに地元の小売店だけでなく、近隣の州の大小の小売店とも、しっかりとした関係を確立しています。
- Direct Marketingと、円滑で長く続く関係が築けることを期待しています。
- Dalton自動車からMark Halliwellを引き抜いてマーケティング部の部長にするって。
- Mark Halliwellは確かに適任ね。どんな人でも結果を出すには少なくとも6 か月は必要だろうと思うけれど。
- フェーズIとフェーズIIで許容副作用を伴い効果的であることが示される治療あるいは薬品の大規模な臨床試験
- 1228年から1229年までの十字軍は、病気になった神聖ローマ帝国皇帝フレディリックIIで導いて、法王によって破門されました
- 330,000人の連合軍隊が敵火の下で絶望的な退却において、北フランスの浜辺から避難しなければならなかった世界大戦IIの陸海空共同の避難(1940年)
- 腎臓にアンジオテンシンIIができるのを阻止し、動脈を弛緩してくれる抗高血圧薬
- アンジオテンシンIIへのさきがけであるアンジオテンシンの生理学的に不活発な形態
- 高血圧を治療するのに用いられるアンギオテンシンII抑制剤
- ASCII文字セットは最も一般的に用いられている文字セットである
- 王を補足したと考えられるI歴代志とII歴代志の旧約聖書の旧名
- ウルガタ聖書(IIエスドラス書を除いて)に含まれるが、ユダヤやプロテスタント版の聖書では省略される旧約聖書の14冊
- I歴代志、II歴代志、エズラ、およびネヘマイアからの編集から成る外典
- フレディリック神聖ローマ帝国皇帝IIを破門して、聖地に対して新しい十字軍を計画していた1245年の西方教会の協議会
- キャサリンIIの愛人であり、1762年に彼女が権力を握る支援を行ったロシアの役員で政治家
- 遺伝的に第VIII因子が欠乏するために生じる血友病
- アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変えるタンパク質分解酵素
- 血液凝固において、トロンビンは第XIII因子をフィブリンが分解しにくい凝血塊の形成を引き起こす(フィブリナーゼ)活性型に触媒する
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