CDエナジーダイレクトの誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 03:17 UTC 版)
「CDエナジーダイレクト」の記事における「CDエナジーダイレクトの誕生」の解説
東京電力との燃料・火力発電事業における包括提携により、電気・ガスを供給する基盤を首都圏に持つに至った中部電力であったが、都市ガスの供給には、ガス保安、ガスエンジニアリングなど、ガス会社特有のノウハウが必要であった。そこで、首都圏における電気と都市ガスの販売を、長年、協力関係にある中部電力と大阪ガスとが共同して進めることになった。 電力小売の全面自由化から2年、ガス小売の全面自由化から1年がたった2018年(平成30年)4月、両社は電気・ガスの販売会社として株式会社CDエナジーダイレクトを設立した。資本金17.5億円は、両社が50%ずつ拠出した。初代の代表取締役社長には中部電力出身の小津慎治が、初代の代表取締役副社長には大阪ガス出身の山東要が就いた。約300万件の契約獲得、2030年頃に首都圏で電気200億kWh、ガス約100万トンの販売を目標に掲げた。6月に首都圏で電気・ガスの販売(契約申込の受付)を開始し、8月に供給を開始した。 CDエナジーダイレクトは、大手電力会社と大手ガス会社とが連携して両社の供給エリア外の家庭用市場に進出した日本初の事例である。都市ガス業界紙『ガスエネルギー新聞』は、2018年(平成30年)、CDエナジーダイレクトの設立を「自由化の進展を象徴する出来事」、「ガス業界今年最大のニュースの一つ」と評した。 中部電力と大阪ガスとは、CDエナジーダイレクトを通じ、首都圏でも電気・ガスを供給することになった。これを、東京・大阪・名古屋の三大都市圏をカバーする「中部電力・大阪ガス連合」と捉えて、「ついに日本に全国規模のエネルギー会社ができた」と評する向きもあった。 受付開始から約1年で10万件の契約申込みを獲得し、会社設立から約2年で申込み件数は20万件を突破した。初年度、売上高は97億1800万円で、売上総利益は4億7800万円であったが、販売費及び一般管理費がかさみ、17億1千万円の営業損失であった。2年目(2019年度)の売上高は270億円余り、3年目(2020年度)の売上高は570億円余り と成長している(2020年7月に中部電力・大阪ガスから首都圏の事業の移管を受けた)が、黒字転換には至っていない。
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