BLUP法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 22:47 UTC 版)
現在、世界の家畜育種の分野ではBLUP法で能力評価をして、優秀な動物同士を配合する方法が主流になってきている。BLUPは最良線形不偏予測値(Best Linear Unbiased Predictor)の略である。 元々、家畜の遺伝力を推定するには主に4つの難題があった。すなわち 実際の測定値(表型値)には、遺伝子の発現による効果だけでなく、後天的に与えられた環境も影響する 遺伝子は親から子へ受け継がれるため、血縁関係を考慮する必要がある 能力が低い個体は早期に処分されてしまうため、能力の高い個体からの記録ばかりになる(データに偏りが生じる) 家畜の飼養環境がばらばらなので、条件をそろえてデータを得ることができない それが、チャールズ・ヘンダーソン博士が考案した混合モデル方程式と、コンピュータの発達による計算能力の向上によって、BLUP法として近年実用化されたものである。日本でも、1985年に北海道の乳牛群に関して本格運用が始まっており、今では国によって1年に3回、遺伝的能力評価情報が提供されている。 競走馬への適用について言うならば、これは各馬の個体データや走破時計から、環境(性・年齢・飼育条件・出走レースのコースや条件など)の補正を行うことで、素質や次代へ遺伝する部分だけを取り出して評価ができるということである。
※この「BLUP法」の解説は、「競走馬の血統」の解説の一部です。
「BLUP法」を含む「競走馬の血統」の記事については、「競走馬の血統」の概要を参照ください。
- BLUP法のページへのリンク