ATS-PT形 (JR東海ATS-P)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 13:35 UTC 版)
「自動列車停止装置」の記事における「ATS-PT形 (JR東海ATS-P)」の解説
JR東海および名古屋臨海高速鉄道がATS-STの取り替えにより、2010年度から順次導入している方式。2012年2月に全ての在来線において更新が完了した。 基本的構造はJR他社で導入されているATS-Pと同様であるが、車上装置の動作に常用ブレーキは使用しない。すなわち、他社のATS-Pの車上装置(自動空気ブレーキ方式の車両を除く)では常用ブレーキと非常ブレーキに基づくパターンをそれぞれ生成し、前者を超過した場合には常用最大ブレーキが作動して停止するのに対し、ATS-PTの車上装置では非常ブレーキに基づく照査パターンのみを生成し、それを超過した場合には非常ブレーキが作動し停止する。これは自動空気ブレーキ方式である従前の機関車、ディーゼルカー用ATS-Pと同機能である。ATSの目的はあくまで安全確保と考え、運転支援のための機能を省略してコスト削減を実現したものと言える。また停止後に復帰扱いすれば緩解して運転を続行できるのはATS-Pと同じである。地上子は、駅構内など制御条件が多数ある地点にはMPU制御のエンコーダ式の有電源地上子、閉塞や単純の駅は最大5電文式の無電源地上子、曲線等の速度制限は電文固定式の無電源地上子を使用することでコストダウンを図っている。 JR東海管内では、ATS-STの地上設備は大部分が撤去された。なおJR西日本管内(新宮駅、猪谷駅構内を含む)と篠ノ井線のスイッチバック構造で後退運転する姨捨駅・桑ノ原信号場(構内のみATS-SN)、中央本線辰野支線内・辰野駅構内・大糸線の一部区間、関西本線亀山駅・伊勢鉄道・愛知環状鉄道(ATS-STのまま)、駅構内の一部の貨物発着線、貨物線内 (ATS-SF) などで車両側にATS-STが必要である。 運転席を立ち上げる時はATS-STで起動され、ATS-Pの地上子を通過してATS-PTに切り替わる点は、他社のATS-Pと同様である。 車両表記は、東海ではPT。
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