A380-800F型機(計画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 03:22 UTC 版)
「エアバスA380」の記事における「A380-800F型機(計画)」の解説
貨物機型も貨物航空会社へ提案されている。貨物機型については重量物が運べないのでそれほどメリットがないとされ、ボーイング社はA380Fより777Fや747-8Fのほうがロスが少ないと説明している。 世界最大の旅客・貨物機だけに貨物容積は広いが、機体の大きさのわりに搭載量は少なく、ノーズ部が開かないため長い貨物が積めず、専用ローダーがないと2階へ搭載できないなど、高速貨物輸送用途でライバルとなる747貨物型に比べると不利な点が多い。747貨物型で出来たことが出来なくなるばかりか、747貨物型では必要なかった設備を新たに用意しなければならないため、経済性には大きく劣り、貨物機としては関心を集めていない。 実際、エミレーツ航空は旅客機としてはA380を発注しているが、貨物機は747-8Fを発注している。また、比較的軽い貨物を扱うFedExとUPS、ILFCはA380-800Fを発注したが、旅客型が何度も納入遅延を起こしたため、貨物型についても納入遅延の懸念から最初にFedExが発注をキャンセルし、続いて2007年3月にUPS(2016年に747-8Fを発注)、ILFCがキャンセルした。このためエアバス社は貨物型のすべての受注を失い、2017年6月現在、試験機を含めて実機は1機も存在せず貨物機の開発は中断している。発注する会社が出てくれば開発は再開される予定であったが、2019年2月14日に同社が生産終了を発表したことにより、開発に至ることなく計画で終わった。
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