757-300
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 03:46 UTC 版)
757-300は胴体延長型として開発され、1999年にコンドル航空が初就航させた。757-200の胴体を7.11m延長したストレッチ型である。全長54.43mはナローボディ旅客機としては旅客機史上2番目の長さ(1位はDC-8-61/63の全長57.12m)となり、ナローボディ双発旅客機に限れば最長である。チャーター便運航会社向け機材として、また、767-200の低コスト代替機として設計され、胴体が主翼の前後で延長されたが、基本設計は757-200と共通である。757-300の扉配置は、左右側面それぞれに4か所の乗降用ドアと主翼上の非常口1か所が設けられており、289名までの乗客を乗せることができる。最大離陸重量は123,600キログラムで、最大航続距離は6,287キロメートルである。エンジンはR-R社のRB211-535E4BとP&W社のPW2037、PW2040、PW2043が採用されている。胴体延長に伴い、引き起こしの際に尾部が接地することを防ぐために、胴体尾部にテールスキッドが装備されているほか、重量増加に合わせ主翼の構造強化されている。同じ時期に開発された767-400ERではコックピットが一新されたが、757-300ではコックピットについては大きな変更は行なわれていない。 コンドル航空は、カナリア諸島などへのレジャー旅行者を対象に低コストで大量輸送を行うために、マクドネル・ダグラス DC-10の代替機としてこの757-300を発注した。乗客が757-300に搭乗し終えるまでの時間をテストしたところ、757-200より最大8分長くなる場合があったことから、ボーイングとコンドル航空は、胴体が長い機体の乗降時間を短縮するためのゾーン別搭乗方式を開発した。757-300は、コンチネンタル航空(後にユナイテッド航空と合併)ノースウエスト航空(後にデルタ航空と合併)といった米国の大手航空会社のほか、アイスランド航空、アルキア・イスラエル航空や、チャーター便運航会社のコンドル航空やトーマス・クック航空で採用された。757-300は55機が製造された。757-200と共に製造を終了し、最終機は2004年4月27日にコンチネンタル航空に納入されている。
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