727の後継機種構想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 03:46 UTC 版)
「ボーイング757」の記事における「727の後継機種構想」の解説
ボーイングでは、1963年に短中距離向けのナローボディの3発ジェット機として727を初飛行させていた。727はジェット旅客機としては好調な売れ行きを記録し、胴体延長型の727-200も含めて最終的には1,832機の販売実績を有するベストセラーとなるが、より小型だが運航乗務員が2人で済み、さらに双発エンジンのため燃費にも優れる737-200やマクドネル・ダグラス DC-9-40/50シリーズとの競合もあり1974年頃には売れ行きは鈍化していた。ボーイングは727を改良することでさらに販売機数を伸ばせると考え、改良型として727-300の開発に着手した。この727-300は、胴体を延長した上でエンジンを低騒音化し、降着装置も4輪式にするなどの改良が加えられる計画で、これにより、座席あたりの燃費を13パーセント低減すると同時に、年ごとに厳しくなる騒音規制をクリアすることができると考えられた。 ボーイングでは727-300の開発に強い意欲を示し、原寸大の金属製モックアップの製作を進めていたが、1975年に入り、ユナイテッド航空などのアメリカ国内の航空会社は727-300構想に対して、「その程度の燃費改善では、新機材導入のコストをカバーするには不十分であり、騒音規制への対応にも一時的にしか対応できず、長く使い続けることのできる機体ではない」という考えを示した。ボーイングは、727-300構想に既に5000万ドルの資金を投入しており、モックアップも作成していたが、航空会社が727-300を好まないのであれば、この計画を破棄した上で、全く新しい機体を開発する方が将来的にもメリットが大きいと考えた。このような事情から、727-300開発計画は1975年8月には正式に破棄されることになった。
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