2019年東大入学式での祝辞
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「上野千鶴子」の記事における「2019年東大入学式での祝辞」の解説
2019年4月12日に行われた東京大学学部入学式において来賓として登壇し、祝辞を述べた。祝辞の中で上野は、2018年に発覚した医学部不正入試問題に触れつつ、東大や四年制大学全体において女子の入学者の比率が低いことに言及し、さらに東大の学生生活や大学組織の中でも未だ性差別が根強く残っていることを指摘した。その上で新入生に対し、現在の自分があるのは努力ではなく環境のおかげであることを自覚するよう促し、自らの能力を自分のためだけではなく、機会不平等が残る社会において恵まれない人々を助けるために使うことを呼びかけた。最後に、異なる環境に身を置くことを恐れず、未知を探求しメタ知識を身につけるよう説き、祝辞を締めくくった。 この祝辞は大きな反響を呼んだ。一例として、冷泉彰彦はニューズウィーク日本版のコラムにおいて「名演説」と評価し、上野を登壇させた大学の姿勢を「危機感の表れ」と評価した。その一方で、週刊新潮の取材を受けた元東大総長の中でも、小宮山宏は賞賛する一方吉川弘之は一部の内容に批判的見解を示すなど、内容への評価は賛否分かれる形となっている。インターネット上においても、日本のTwitterでは上野の名がトレンド入りし、祝辞に対して賞賛の声が上がる一方、「場違いな祝辞」などといった批判の声もあった。 上野自身は、入学式後の「AERA」によるインタビューの中で、「賛否ともその大きさは想定以上でした」と反響が大きかったことに驚きを表明しつつ、内容については「当たり前のことを言っただけ」としている。
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