2010年代 金正日の死と金正恩体制
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「天安沈没事件」、「2017年北朝鮮危機」、「金正恩」、「金与正」、および「板門店宣言」も参照 2011年12月17日に金正日総書記が死去したことから、金正日と高英姫の間に生まれた実子かつ金日成の孫の金正恩が後継者になった。その後、「元帥」という称号が与えられた。 2013年6月、憲法や朝鮮労働党規約よりも上位とされる「党の唯一思想体系確立の10大原則」を39年ぶりに改正した。それによると、「わが党と革命の命脈を白頭の血統で永遠に継承し、その純潔性を徹底して固守しなければならない」という項目ができ、三代世襲を明文化し、正当化している。更に、共産主義社会の基本理念である「プロレタリア独裁」という表現も削除した。また、必ず達成すべき偉業として「共産主義」「社会主義」の名目もなくなり、代わって「主体革命」という言葉が入った。専門家は、これは北朝鮮が社会主義国家から王朝国家への変貌を公式に宣言したものと分析している。 2016年5月6日から5月9日にかけて、祖父で初代最高指導者金日成体制下の1980年以来36年ぶりの朝鮮労働党大会(第7回)が開催された。 2017年9月3日、北朝鮮は火星12型の発射実験・水爆実験をおこなったが、これに対し、国際連合安全保障理事会は9月11日、北朝鮮に対する制裁決議を中国・ロシアも含めた全会一致で採択した。9月19日、ドナルド・トランプアメリカ合衆国大統領は、ニューヨークの国際連合本部で行った演説で金正恩を「ロケットマン」と呼び、「ロケットマンは自爆行為に走っている」「米国と同盟国の防衛を迫られれば、北朝鮮を完全に破壊する以外に選択肢はない」と発言した。 2018年4月27日 金正恩が北朝鮮の最高指導者として史上初めて板門店の軍事境界線を超えて韓国(北朝鮮側の呼称:南朝鮮)を訪問し、文在寅大統領と第三次南北首脳会談を実施し、「板門店宣言」を発表した。そこでは、朝鮮半島の完全な非核化を南北の共同目標として、積極的に努力をすることや、休戦状態の朝鮮戦争の終戦を2018年内に目指して停戦協定を平和協定に転換すること、南北共同連絡事務所を北朝鮮の開城特別市に設置することなどが合意された。 2018年6月12日 金正恩国務委員会委員長がアメリカのトランプ大統領と、シンガポールにて米朝首脳会談を実施し、両国首脳による共同声明を発表した。米国の現職大統領と北朝鮮の最高指導者が直接対面し会談を行ったのは史上初であった。
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