2003年 景気回復
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 14:39 UTC 版)
2001年から2002年にかけての停滞を経て、アイルランド経済は2003年末から再び成長の勢いを取り戻した。一部のメディアではこの景気の再加速を "Celtic Tiger II" などと表現した。2004年のアイルランドの経済成長率は4.5%となり、同年4月までの欧州連合加盟15か国中で最高を記録し、2005年の成長率もほぼ同程度が見込まれていた。この高い成長率はドイツ、フランス、イタリアなど多くのヨーロッパ諸国の成長率が1-3%程度にとどまっていたのとは対照的なものとなった。 世界的に見ても、アメリカの景気回復に引っ張られる形でアイルランド経済が加速した。口蹄疫や同時多発テロによる観光業の落ち込みも回復に転じ、また世界的に IT 産業が勢いを取り戻したこともアイルランド経済の回復に寄与した。アイルランドはヨーロッパにおけるパーソナルコンピュータの25%を生産し、とくにデルはリムリックにヨーロッパにおける大規模な生産工場を所有し、このほかにもIBM、アップル、ヒューレット・パッカードがアイルランドに生産拠点を置いている。 多国籍企業による新たな投資も相次いだ。インテルはアイルランドの生産能力拡大を再開し、Google もダブリンにオフィスを開設した。アボット・ラボラトリーズはアイルランドの研究施設を新設し、ベル研究所も研究施設の開設を予定していた。 国内の動きとして、国内の科学分野の企業を奨励するためにアイルランド科学財団を設立した。またアイルランドに高度な技術を要する職を集めようとする動きも進められた。政府が新設した特別貯蓄奨励口座制度で満期となった資金により消費者の消費意欲が増進され、小売業の売上が伸びていった。
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