20世紀~現代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 05:28 UTC 版)
ロシア革命直前の20世紀初頭にはロシアにおけるイコンの伝統復興は本格化し、ロシア革命後には亡命ロシア人によってイコンの伝統復興が担われていった。イコンを巡る代表的な神学者としてレオニード・ウスペンスキーが挙げられる。 ギリシア、バルカン半島諸国においては20世紀に入り、ビザンティン・イコンへの関心が高まり、古いイコンの修復と保護が行われるようになった。特にフォティス・コントグルー(フォティオス・カンタグルウ)は伝統的なビザンティン・イコンの復興運動(ネオ・ビザンティン)に大きく寄与した。この復興運動はギリシアにとどまらず、出版物や弟子達を通して、アメリカ合衆国における正教会など他国の正教会にも広がった。ネオ・ビザンティンは、マケドニア派とクレタ派を折衷した表現をとっており、現代のギリシャ各地の修道院においてもその流れは継続している。 無神論をとる共産主義政権時代、ソビエト連邦、およびバルカン半島諸国においては教会が厳しく弾圧されており、イコン表現も細々としたものにならざるを得なかった。しかしソ連が崩壊し、バルカン半島諸国で共産主義政権が相次いで崩壊するとイコンも盛んに画かれるようになり、国家に没収されていた聖堂が教会に返還されたり、聖堂が復興・再建・修復されたりする中で、それらの聖堂に画かれる壁画イコンにも伝統的なイコン表現が盛んになった。こうして20世紀末から21世紀初頭のこんにちまで、ギリシア、ロシア、バルカン半島諸国において、イコンの再生運動が継続している。
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