2機のハイジャックの失敗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:42 UTC 版)
「PFLP旅客機同時ハイジャック事件」の記事における「2機のハイジャックの失敗」の解説
4機のハイジャックされた旅客機のうち、トランス・ワールド航空のボーイング707とスイス航空のダグラスDC-8に対するハイジャックは成功し、ヨルダン方面に行き先を無理やり変更され、6日中にPFLPの別動部隊が待ち受ける「革命空港」に強制着陸させられた。 しかし、エル・アル航空のボーイング707においては、アムステルダム国際空港を出発して間もなく、犯人の稚拙な行動により、ハイジャック活動が行われることが事前に一部の乗客や客室乗務員らに感知された上に、ハイジャックを警戒して便乗していたイスラエルのスカイマーシャルが、客室乗務員からの通報を受けて2人のハイジャック犯のうち1人を射殺し、残る1人も飛行機の機内における銃撃戦の末に乗客や乗員らが取り押さえ、その後ロンドンのヒースロー空港に緊急着陸したことにより失敗に終わった。 さらに、パンアメリカン航空のボーイング747も、ハイジャック後にナローボディの他機種に比べて機体重量がかさむために、滑走路が舗装されていない革命空港には着陸できないと判断されて、運航乗務員の判断でエジプトのカイロ国際空港に向かった。そこで乗客乗員を解放した後に爆破され、その後犯人グループが投降、直ちに現地の警察に逮捕されたことで失敗に終わった。 なお、エル・アル航空機の犯人グループ2人のうち生き残り捕らえられた1人は、1969年8月29日に発生したローマ発アテネ行きのトランス・ワールド航空840便ハイジャック事件の成功により、PFLPの女性テロリストとして世界的に著名になったライラ・カリドであった。 また、射殺されたもう1人もニカラグアの反政府ゲリラ組織で、PFLPと協力関係にある「サンディニスタ民族解放戦線」のテロリストとして世界的に著名なニカラグア系アメリカ人のパトリック・アルゲーロであった。
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