2枚刃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/06 22:36 UTC 版)
1971年ごろ、ジレットはFrancis DorionがデザインしたTrac IIを発売した(日本ではGII)。これはアメリカで最初に発売された複数刃の安全剃刀である。そのカートリッジには刃が2枚装備され、刃先への圧力を分散して肌への食い込みを軽減している。ジレットはTrac IIを特許で防衛し、同社のカートリッジを確実に何度も購入してもらえるようにした。これは、かつての剃刀と替え刃の販売哲学の自然な発展である。 同社は次にAtra(Contourとも、日本ではアクタス)を発売。これは首振り式でヘッド部分が動くようになっていて、皮膚の形状に密着しやすいとされていた。その後、いわゆる「スムーサー」を導入したTrac II PlusやAtra Plusが登場。更に2枚ある刃をそれぞれ独立サスペンションで調節するSensor(センサー)を投入した。同社はこれらの新製品を、従来のものより高い価格で販売し、利益を増やしていった。競合するシックなどもこの動きに素早く追随して2枚刃式の安全剃刀を発売し、市場の主流は二枚刃に移った。 当時、各ブランドのカートリッジには互換性がなく、各社は顧客の囲い込みを狙っていた。現在市場の中心はより多数の刃のあるモデルに移り、ジレットは二枚刃のホルダーを廃番にしているが、同社のシステムはある程度の互換性があり、ウィルキンソンなど数社から適合するカートリッジが供給されている。このため二枚刃カートリッジは一個あたり数十円程度と多数刃にくらべ非常に安価で、今なお使用者が多い。また業務用に根強い需要があり、替え刃が数十個単位や、100個以上のパッケージで販売されている。
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