1980年代 - 小型旅客機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 12:56 UTC 版)
「ボーイングとエアバス」の記事における「1980年代 - 小型旅客機」の解説
エアバスは、当時も製造が続いていたベストセラー機ボーイング727に対抗する旅客機を開発することを決定した。ボーイング727は、ボーイングが製造していた短・中距離用の中型機であったが、オイルショックなどが原因で次第に製造が終了していった。そのため、エアバスはボーイング727よりも燃費が良い旅客機を製造する必要があった。 そうして開発された旅客機が、エアバスA320シリーズである。開発していくうちにボーイング737と同クラス規模になってしまったものの、1987年2月22日に初飛行、1988年3月28日にエールフランスにより就航した。またその後、短胴型のエアバスA319とA318、長胴型のエアバスA321なども開発された。 それまで小型の旅客機の部門で優位だったボーイングは、この時ボーイング737-300を製造していた。このモデルは、新たにコンピューター制御による操縦が可能になり、燃費も大幅に向上していたものの、競争力を高めるためにはさらなる近代化が必要であった。こうして開発されたのがボーイング737NGで、1998年より就航した。 両機種とも150席クラスのナローボディ機で、グラスコックピットなどの新技術の採用などの共通点があったが、エアバスA320シリーズの方が胴体が太く、LD3-46/46Wコンテナを搭載可能であるのに対しボーイング737NGはコンテナに対応していない点、ボーイング737NGは既存の737シリーズと操縦規格を共通化させている点が主な特徴として挙げられる。現在、両機種ともさらなる発展型としてエアバスA320neoとボーイング737MAXが開発されている。 この2機種の販売では、エアバスA320シリーズで運航するアメリカの航空会社やボーイング737シリーズで運航するヨーロッパの航空会社も多く、地の利は働いていない。 一方、DC-9やMD-80シリーズにより小型旅客機市場でボーイングと競っていたマクドネル・ダグラスは、MD-80シリーズを近代化したMD-90でボーイングとエアバスに対抗したものの、設計の保守さが仇となって完全な敗退に終わった。結果としてマクドネル・ダグラスは経営不振に陥り、1997年7月末にボーイングに買収されたが、MD-90シリーズはボーイングのラインナップと重複しなかったMD-95だけがボーイング717として生産が続けられた。しかしこちらも受注が伸び悩み、2006年に生産を終了した。
※この「1980年代 - 小型旅客機」の解説は、「ボーイングとエアバス」の解説の一部です。
「1980年代 - 小型旅客機」を含む「ボーイングとエアバス」の記事については、「ボーイングとエアバス」の概要を参照ください。
- 1980年代 - 小型旅客機のページへのリンク