19世紀のリバーシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 17:32 UTC 版)
「オセロ (ボードゲーム)」の記事における「19世紀のリバーシ」の解説
オセロに似たゲームとして記録に残る最古のものは、1870年にイギリスのロンドンでジョン・モレット (John Mollett) が開発したアネクゼイション (Annexation) というボードゲームである。アネクゼイションは、十字形の盤面を用いていたが、現在のオセロと同様に「挟んだら裏返す」という基本原理に基づくゲームだった。開発から6年後の1876年にF・H・エアーズがこれを発売した。 1883年、同じくロンドンのルイス・ウォーターマン (Lewis Waterman) がアネクゼイションの盤面をチェッカー盤(チェスボードと同じ8×8の正方形)に改良してリバーシ (Reversi) を開発した。リバーシは、1886年にロンドンのサタデー・レビュー紙に掲載され、世に知られることになった。ウォーターマンは、1888年にリバーシを商品化し、ジャック・アンド・サン(現・ジャック・オブ・ロンドン)から発売した。なお、リバーシ発売後にF・H・エアーズがアネクゼイションの改良版として「Annex a Game of Reverses」という名前でリバーシとほぼ同一のゲームを販売したため、商標をめぐって訴訟となったが、「リバーシ」は「裏返す」という意味の単語「Reverse」に由来し、16世紀からフランスでプレイされていた伝統的トランプゲームのリバーシス(ハーツの原型)の別名でもあることから商標権は認められず、両者はともにこのゲームを販売できることになった。 商品化から2年後の1890年にウォーターマンが承認したリバーシの解説書によると、当時のリバーシと現在のオセロとのルール上の違いは、以下の2点のみである。 初期配置オリジナル・ルール 初期のリバーシでは、盤面に石を置かずにゲームを開始していた。初手から4手目まで交互に中央4マスのうち好きな位置に石を打ち込むことで、初期配置を決めた(なお、初期配置を決めるための4手は相手の石を挟まなくて良かった)。 着手回数32手制限ルール 初期のリバーシでは、両対局者はそれぞれ最大32回しか石を打つことができなかった。つまり、ゲーム開始時に各々の手元に32個の石が配布され、相手のパスによって自分が連続して着手した結果手元の32個の石を使い果たしてしまった場合は、それ以降の自分の手番がすべてパスになった。 同書によると当時のリバーシの石の色は黒と白 (black and white) であり、現在のオセロと同様である。もっとも、ジャック・アンド・サンから発売されたオリジナルのリバーシは、チェッカーと同様に黒白、黒赤、赤白という少なくとも3通りのバージョンが存在していたことがボードゲーム収集家のリチャード・バラムのコレクションで確認できる。
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