1) 男の子の健やかな成長を願う七夕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 16:27 UTC 版)
「戸出七夕まつり」の記事における「1) 男の子の健やかな成長を願う七夕」の解説
この七夕が当地方における本来の七夕である。 七夕竹の下部に男の子の名前と武者や金太郎などが書かれた行灯がついているのが特徴である。郊外地域の家では武者行灯は飾られない場合も多い。 男の子、特に長男のために七夕を飾る風習は明治時代に高岡を中心にしてこの地方一帯に広まっていたとされる。この七夕は現在でも高岡市域全域でみられるが、戸出地区、及び戸出地区に隣接する中田地区で多くそれ以外の地域で七夕を飾る家庭は稀である。中田地区で今でも七夕が多いのは近年まで中田あしつき祭りとして七夕飾りが街中に飾られていた名残りでもある。中田あしつき祭りは例年7月3日〜6日に開催されていた。 1968年以前からの旧高岡市域で七夕を飾る家庭が少ないのは、1968年(昭和43年)に高岡中心市街の七夕まつり(高岡七夕まつり)が高岡中心商店街の意向で真夏商戦にあわせて本来の7月7日から8月7日に行われるようになったためである。これ以降、高岡七夕まつりは企業・商店街主体のイベントとなり七夕飾りに男の子の成長を願うという庶民の七夕文化は廃れていった。旧高岡市市域の七夕を飾る家庭では7月7日ではなく8月7日に向けて七夕が制作される。 元来は長男の成長と願って制作されたが、現在では次男以降の男の子や女の子を含めた子供一般のために七夕を飾る家庭も多い。 戸出の商店街地域には七夕まつり最終日の7月7日の夜、長男の生まれた家の七夕の竹を引きずりまわす習慣があった。7月7日の夜11時過ぎ、その家の七夕飾りを倒して提灯・電球・大きな飾りを外した後、「わっしょい、わっしょい」と掛け声をかけながら町内を引きまわし、その後竹を戸出町の東を流れる新川へ投げ込んでいた。 このような男の子の成長を願って七夕を飾る風習は全国的にも類がなく、2)の大七夕と、明治時代よりの伝統が残る1)の七夕とが融合した戸出七夕まつりは趣深く魅力的なまつりとなっている。
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