ふたつのアラベスク【二つのアラベスク】
ドビュッシー:2つのアラベスク
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ドビュッシー:2つのアラベスク | 2 Arabesques | 作曲年: 1888-91年 出版年: 1891年 初版出版地/出版社: Durand & Schoenewerk |
作品解説
習作を除けばドビュッシー最初のピアノ曲で、1888に作曲されたと推定される。そこには既にドビュッシー独特の音楽の予感が感じられるが、まだロマン派の影響も残っている。‘アラベスク’とはアラビア風とか唐草模様を意味する言葉で、この曲もどこか視覚的なイメージを秘めている。3連符を多用したアルペジオ、和声の繊細な使用など、演奏平易な小品の割に個性的な部分が多く、若きドビュッシーの並々ならぬ作曲技量が窺い知れる小品でもある。
2つのアラベスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/08 03:52 UTC 版)
2つのアラベスク(仏語:Deux Arabesques)はクロード・ドビュッシー初期のピアノ作品であり、彼の作品の中では最も有名な作品の一つに数えられている。
概略
1888年に作曲され、1891年に改訂されたとされる。ドビュッシーの2手用のピアノ曲としては、ロシア時代の《ボヘミア風舞曲 Danse bohémienne 》(1880年)以来の楽曲である。
2曲で構成される本作品は、いずれもロマン派音楽に典型的な三部形式による小品となっており、和声法にグリーグやフォーレ、マスネの影響が顕著であるものの、抒情性と軽やかに運動するリズムの共存はシューマンの着想に似ていなくもない。ことに〈第1番〉においては、分散和音の多用と、右手と左手のポリリズムの組み合わせが「アラベスク」たるゆえんであろう。
楽曲構成
音楽・音声外部リンク | |
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全2曲を通しで試聴 | |
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以下の2曲から構成されている。
第1番
ホ長調 アンダンティーノ・コン・モト Andantino con moto
冒頭はホ長調にもかかわらず下属調イ長調の主和音。平行短調の後に漸く本来の調性が現れる。またこの序奏は使いまわされており、調性の不安定さを演出する大きな要素である。中間部はイ長調の静寂な部分。ハ長調の Risoluto では「決然と」と指示するように楽曲の統一を図っている。
またポリリズム部分は、川が流れる様子を表している[要出典]。
第2番
ト長調 アレグレット・スケルツァンド Allegretto scherzando
第1番と比べて表向きの和声進行は常套句的だが、伴奏部分に平行五度を伴って動く楽句が多々あるほか、中間部で鮮やかな転調を次々と見せ、後の作風における機能和声の崩壊を既に予感させる。
脚注
外部リンク
- 2つのアラベスクの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
固有名詞の分類
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