黎明期のオートフォーカス一眼レフカメラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 10:15 UTC 版)
「オートフォーカス」の記事における「黎明期のオートフォーカス一眼レフカメラ」の解説
日本光学工業(現ニコン)はニコンF2時代オートフォーカスニッコール80mmF4.5を試作したが市販されなかった。「世界初の市販オートフォーカス一眼レフカメラ」はリコーの「スクープアイ」ことリコーXR6とAFリケノン50mmF2のセットである。AFリケノン50mmF2は交換レンズ側に測距と自動焦点機能を持ちKマウントのボディならどれに装着してもオートフォーカスが可能であったが、リコーXR6とセット販売された。しかしこれはマイナーメーカーであったせいか、あまり話題にならなかった。 1981年11月発売されたペンタックスME FとSMCペンタックスAFズーム35-70mmF2.8のセットは、カメラボディーにTTLフォーカスセンサーがあり、ここで検知したピントをマウントを通じてレンズに伝え、レンズ内のモーターがレンズを駆動する形式である。一般にはこれが「世界初の市販オートフォーカス一眼レフ」として知られている。オリンパスOM30とズイコー35-70mmF4AFのセットもほぼ同じ形式でオートフォーカスを実現した。 レンズメーカーであったコシナは、どのカメラでもオートフォーカス化できるようにAFリケノン50mmF2のようにレンズのみで完結する75-200F4.5AF、1987年にはコンパクトな標準ズーム28-70mmF3.5-4.8AFを発売した。マウントはニコン、キヤノン、ミノルタ等7種。 プロスペック機としてはニコンF3AFとAiAFニッコール80mmF2.8S、AiAFEDニッコール200mm3.5S、TC-16Sのセットが挙げられる。 しかしこれらは、いずれも爆発的な人気を得ることはできなかった。オートフォーカス一眼レフカメラが、完成した製品として消費者に迎えられたのは、1985年2月発売のミノルタα-7000が最初である。 変り種としては、ヤシカを吸収合併した京セラがコンタックスブランドで販売していた一眼レフボディで、「フィルム像面を移動」させる事でオートフォーカス動作を行なうコンタックス・AXがある。描写には定評がある従来のカールツァイス製レンズをそのまま使えてオートフォーカス動作が可能(機種専用のレンズを用意する必要が無い)という利点がある一方、ボディ内部は二重構造となり厚ぼったく、携帯性やデザインに難が発生したため、ヒットとはならなかった。
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