魚類のエピテリオシスチス病原体 [Epitheliocystis organism (EPO)]
EPOは感染した魚の細胞質内で増殖して、封入体とよばれる集塊をつくり、この病原体の増殖が進むと集塊が大きくなり、細胞自体や核が肥大して、三日月状の核になる。このように変化した細胞はE細胞とよばれている。E細胞が少ない場合は魚に悪影響がないが、E細胞が多数増えると鰓が変形し、血行傷害や呼吸傷害で死亡する。対策としてクロラムフェニコールが有効であるが、輸入魚の防疫上、重要視されつつある魚病の一つである。
この病原体の形は魚種によって違いがあるが、中心付近に核様体をもつ球状または楕円球状の微小細胞(0.3-0.5μm)である。その形はヒトのオウム病クラミジア、リンパ肉芽種症クラミジア、トラコーマ・クラミジアに似ているが、リケッチアの可能性もあるといわれている。
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