魔術師スパー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 06:28 UTC 版)
「オースティン・オスマン・スパー」の記事における「魔術師スパー」の解説
スパーの魔術体系「キアイズム」に関しては、彼の用語は唯一無二であり、他の諸伝統に由来するものではない。「キア」「イッカー」「シカー」のような独創的な概念はスパーの最初の本『地上の地獄』において初めて導入され、概念上は『生の焦点』に至るまで一貫している。 オカルティズム全般へのキアイズムの影響も注目に値するが、キアイズムとは自己の成長のための具体的な方法でも、何らかのまとまった教えでもなく、個々人が自分独自の哲学体系や魔術体系を考案することを要請するものである。 キアイズムにおける至高の状態である「キア」は次のように説明される。 「自由であるところの絶対的自由は“リアリティ”〔現実/実在〕たり得るほどに強力であり、いかなる時も自由である。ゆえにそれは自由という観念ないし“手段”によって(その瞬間的可能性を除いては)潜在するのでも顕現するのでもない。そうではなく、エゴがそれを自由に受け取ること、それについての観念から自由であること、信じないことによるのである。」 しかしながらスパーは随所でしきりに、キアは定義不能であって、いかなる定義をもってしてもいっそう不明瞭になるだけだと強調している。 キアイズムは「信念」と「欲望」を大いなる二元性とする。この体系においては、「エゴ」〔自我〕はひとつの「存在」に属する「自己」の一部であるが、「自己」は「存在」全体を包み込んでいる。おのおのの“人間”「存在」は意志として欲望を発する。この欲望は新たな信念を想像し、信念は新たな概念を抱懐することによって「エゴ」を形成する。スパーはこれらの概念を、「エゴ」に対応するさまざまな人格を形成する「信念の副産物」と名づける。しかし上述の意志は不完全な〔小文字の〕意志である。大文字の「意志」は「自己」の王国にあり、「キア」に係わる。
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