高度が人体に与える影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 01:36 UTC 版)
詳細は「高度が人に与える影響」を参照 医学的知見によると、1,500mを超える高度で人体に影響が出始め、5,500mから6,000mを超えると恒常的に耐えることはできない。高度が増加するにつれて、気圧は低下し、酸素の分圧も下がって人体に影響が生じる。2,400mを超えて酸素が欠乏すると、高山病や肺水腫、脳水腫等、深刻な病気の原因となる。高度が高くなるほど、重篤な影響が生じやすくなる。 人体は、呼吸や心拍数を速め、血液組成を変化させて高度に順応することができる。高度への順応には、数日から数週間を要する。しかし、8,000mを超えると、人体は適応できず、死に至ることもある。 高度地域にもともと居住している人々は、高度の影響で死に至ることは極めて稀である。しかし、高度地域に居住している人々は、統計的に自殺の割合がかなり高い。この原因については、今のところ明らかになっていない。 運動選手にとっては、競技場の高度(標高)によりパフォーマンスにとって相反する2つの効果が表れる。瞬発力が必要な競技(400mまでの競走や幅跳び、三段跳び等)の選手にとっては、気圧の低下によって空気の抵抗が少なくなり、通常パフォーマンスは向上する。持久力が必要な競技(5,000m以上の競走)の選手にとっては、酸素の低下によって通常パフォーマンスは低下する。スポーツに関する機関も高度がパフォーマンスに与える影響については認識しており、例えば国際陸上競技連盟は、1,000mを超える高地での成績は、公式記録としては記録されないとルール化している。 また、運動選手は、高度への順応を利用してパフォーマンスを向上させることもできる。高度への順応に関する体の変化は、パフォーマンスを向上させる。これらの変化は、長距離走、トライアスロン、競輪、競泳等の持久力が必要な競技の選手が高地トレーニングを行う基礎となっている。
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