高山本線直通列車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 08:38 UTC 版)
2001年10月のダイヤ改正によって廃止されるまで、名鉄犬山線 - 国鉄・JR東海高山本線間の直通優等列車として、同社唯一の気動車特急列車「北アルプス」が存在した。運転区間は何度か変化したが、末期は新名古屋駅(→名鉄名古屋駅) - 高山駅間を運行して、JRの特急列車「ひだ」の補完的な役割を果たしていた。また、1972年9月27日から廃止されるまで、列車は犬山橋北側から分岐する連絡線(事実上の新鵜沼駅/鵜沼駅各構内)を通過し高山本線に入線していたことから、鵜沼 - 美濃太田間も名鉄が乗務を担当し、美濃太田駅で旧国鉄・JR東海の乗務員と交代していた。 名鉄線内でも社線内特急券を購入すれば「北アルプス」に乗車できたが、利用できる乗車券は普通乗車券に限られ、3・3・SUNフリーきっぷなどのフリー乗車券や定期・回数乗車券などでは社線内特急券を購入しても一切乗車できなかった。直通する場合の運賃・料金は、名鉄各駅 - 新鵜沼駅間・鵜沼駅 - JR各駅間を合算していた。また、新幹線とJR在来線の特急を乗り継ぐ場合に適用される在来線特急料金の割引制度については、「北アルプス」は対象外であった。 「北アルプス」の利用者自体も廃止直前の10年間のうちにバブル崩壊による景気悪化や東海北陸自動車道の延伸の進捗などもあって半減し、2000年10月の高速バス(ひだ高山号)の運行開始に伴い「北アルプス」と併存の状況になり、さらには電鉄会社が気動車を保有する非効率さもあり、2001年9月30日限りで廃止された。 なお、名古屋 - 美濃太田間の鉄道路線については改正鉄道敷設法別表第72号に「愛知県名古屋ヨリ岐阜県太田ニ至ル鉄道」として記載されたほか、1961年の都市交通審議会第5号でも「(1985年度までを目処に)国鉄高山線の名古屋直結に関しては水分橋 - 大曽根(中央本線)間に新線を建設し、かつ鵜沼 - 水分橋間の名古屋鉄道を利用して高山線を大曽根に乗り入れさせる路線について検討すべきである。」と答申されたが、この路線は実現していない(未成線)。
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