飛鳥・白鳳時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 15:15 UTC 版)
6世紀前半、朝鮮半島では百済の忠清南道武寧王陵から出土した王妃の木製頭枕に金箔が使用されている。朱漆と思われる赤色に着色された表面に、幅をもたせて帯のように切られた線状の金箔による亀甲文様が施されているのが確認されている。 日本においては、7世紀半ばに朝鮮半島や中国大陸より仏像彫刻や仏画とともに伝わったといわれる。法隆寺所蔵玉虫厨子の須弥座上框下の請花花弁先端部分に小さな長菱形の截箔が施されており、これが国内に現存する最古の截金作品とされる。玉虫厨子よりも技法的に進んだ例として、法隆寺金堂の四天王立像があり、広目天像には菱形の截箔、多聞天像には丸い截箔や四葉文の截文が使用されている。この頃には金を薄く打ち延ばして金箔をつくる工人や金箔を截り、押すなど、截箔、截文、截金を自由に使用することのできる工人がいたとみられる。 仏教美術以外では、白鳳文化を代表する絵画である高松塚古墳壁画には天井に描かれた日月図に金箔と銀箔(鼠色に変色)の截箔が使用され、星宿図には直径0.9cmほどの円形の金箔が使用されている。
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