音韻・文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 17:28 UTC 版)
かつてはインド起源の音節文字(アリバタ)やアラビア文字を用いていたが、現在はもっぱらラテン文字(ローマ字)を用いる。母音はa, e, i, o, uの5個。子音はp, t, k, ' (声門閉鎖音), b, d, g, m, n, ng, s, h, l, r, w, yの16個がある。ただし、スペイン語、英語由来の固有名詞にはc, f, j, q, v, x, zも用いられる。タガログ語のローマ字は「アバカダ」と呼ばれ、1987年に制定されたものである。「アバカダ」という名前の由来は、英語のABCD(エイ・ビー・シー・ディー)にあたる先頭の4文字がABKD(ア・バ・カ・ダ)であることによる。表記はほぼ発音通りであるが、ngが単独の子音であることに注意されたい。例外的に、マーカーのngはnang/naŋ/、複数を表すmgaはmanga/maˈŋa/と発音する。 また、スペイン語、英語に由来する固有名詞は、タガログ語本来のつづり字の発音と異なる場合がある。 アクセントの区別があるが、辞書などを除いて表記されない。たとえばasoは、aにアクセントを置くと「犬」、oにアクセントを置くと「煙」を意味する。また、スペイン語に由来する固有名詞で、スペイン語の原つづりにアクセント記号がつく場合でも省略されることが多い。例:San Jose (←San José), Corazon (←Corazón) Aquino。 タガログ語にはアルファベット文字で表されない子音がひとつある。日本語で「ハイッ」という時の「ッ」の部分にあたる音で、声門閉鎖音と呼ばれる。この声門閉鎖音は単語の頭語、中間、語末のすべての位置に現れ、語頭で母音の前、単語の中間で母音と母音の間に生じるものには表示されず、単語の中間で、子音と母音の間に生じるものは、符号(-)で表される。語末で母音のあとに生じるものは、この母音の上に (`) をつけることによってあらわされる。この母音の上にアクセントがある場合は、アクセント符号 (´) との組み合わせで (^) で表される。
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