音韻・アクセント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 15:53 UTC 版)
アクセント 広島弁のアクセントは、中輪東京式アクセント(乙種アクセント)である。そのため一般的な単語のアクセントは近畿方言と異なり、共通語と共通。ただし、広島弁では一文節内で高く発音される音節が一つだけになる傾向がある(例:ことばが)(上線・太字はアクセントの高音部。以下同じ)。平板型の語(音の下がり目のない語)では、一単語のみが発話される時、語末の一音節のみ高くなる(さくら。)。また、助詞が付くと高い部分が助詞に移動し「さくらが。」、さらに文が続くときには、次に下がり目のある位置の直前まで低いままになる(さくらのきがたっとる)。 連母音の融合 「アイ」連母音は「アー」になる(例:赤い→あかー)。これは山口弁と共通する特徴であり、「エァー/ャー」になる備後弁とは異なる。 助詞の発音 格助詞の「は」や「を」は、前の母音と融合して発音される(例:ここは→こかあ)。なお、「を」の直前の名詞の母音が「イ」である場合は、「ウ」と発音される(例:薬を→くすりゅう)。 また、引用を示す「と」は省略され、ほとんど用いられない(共通語の「…と思って」は「…、思うて」となる)。例:「あんたぁ、はぁやる金がねぇがどがーするんねぇー、ゆうての」(「あなたね、もうあげるお金はないけれどどうするの」と言ってね=強調部が助詞省略部分)。 その他 母音の無声化はほとんど起こらない。 母音「ウ」は、西日本の他地域と同様に唇を左右から寄せ、かなり丸めて発音する。 特定の語句に限り、サ行音がハ行音に変化している場合がある(例:行きまへん)。「七」「質」は「ひち」、「敷く」は「ひく」と発音される。
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