非暴力の技法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/21 06:34 UTC 版)
市民的不服従を積極的な仕方で表現するときには、ある種の法律にわざと違犯することにもなる(例えば、スクラムやバリケードによって移動を妨害するとか、軍事基地を不法占拠するなど)。抗議者は自分がその行動によって逮捕されることになるだろうし、場合によっては当局から攻撃を受けたり殴打されることになるとも予期しているが、こうした非暴力的な仕方で市民的不正行為を実行するのである。逮捕や攻撃をされた時どう反応すればよいのか、抗議者があらかじめ訓練を積んでおくことも多い。そうすれば、いざという時取り乱したり思わぬ行動を取ったりして当局に脅威と思われてしまう恐れがないからである。 例えばガンディーは概略次のようなルールを定めていた。 不服従者は何があっても怒らないこと。 相手の怒りは我慢すること。 そのせいで暴行を受けることがあっても抵抗せず、仕返しもしないこと。どれほど殴られたり虐められたりしようが、怒りのもとでおこなわれた命令には決して従わないこと。 当局から逮捕されそうになったら、文句を言わず逮捕されること。たとえば当局が自分の財産を押収しようとしても抵抗せず、当局のするにまかせること。 他人の財産を預けられているときには、決してそれを当局に引き渡さないこと。そのせいで命を失うことになっても、絶対に反撃しないこと。 悪口を言ったり罵ったりしてもいけない。 したがって相手を侮辱してはいけない。隠語や新造語のたぐいでもいけない。 イギリス国旗には敬礼しない。けれども国旗や英・印の役人に対して侮辱することもしてはいけない。 闘争の最中に役人が侮辱されたり暴力を加えられることがあったら、命を賭けてその役人を守ること。 ガンディーは彼の非暴力抵抗運動と、西洋の受動的レジスタンスを区別していた。
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