青変菌
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青変菌(英名:blue stain fungi)は名前の通り木材を青く変色させることで知られる菌類でCeratocystis属、Grosmannia属、Ophiostoma属など複数の属に跨って知られる。マツ枯れによる枯死木を伐採すると切り口が青く変色していることが多く、かつては青変菌がマツ枯れの主原因ではないかとも言われていたこともある。日本では青変菌は木材の経済的価値を落とす菌として有名だが、世界的にみると欧米のニレ属樹木に壊滅的被害を出し続けているニレ立枯病(オランダニレ病)を引き起こすOphiostoma ulmiやアメリカのナラ類のoak wilt病(和名未定)を引き起こすCeratocystis fagacearum、アメリカ西部のキクイムシの一種(Dendroctonus ponderosae)が引き起こすコントルタマツ(Pinus contorta)の病気などのように病原性の強いものも複数知られる。しかしマツ枯れの場合マツが枯死してから青変菌が増殖することなどから主たる原因ではないとされた。マツ枯れ材に青変菌が見られるのは主にカミキリムシやキクイムシが体に付けて持ち込むからだという。 青変菌の繁殖した樹木の切断面、マツ枯れ枯死木もこのようになることが多い 世界的に有名なニレ立枯病(オランダニレ病) アメリカのoak wilt病(和名未定) キクイムシと青変菌により枯死した大量のコントルタマツ. アメリカ・コロラド州
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青変菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 14:23 UTC 版)
本病の原因となるOphiostoma属菌は次の3種が知られる。 Ophiostoma ulmi – この中では最も早く1910年にヨーロッパで確認された種類である。輸入材に紛れ込んで1930年頃にはアメリカに侵入した。 O. himal-ulmi – ヒマラヤ地域原産のU. wallichianaから分離された種。 O. novo-ulmi – この中では最も強毒性の種で1940年代にヨーロッパとアメリカで確認された。1960年代から猛威をふるい多くのニレを枯死させている 強毒性で猛威をふるうO. novo-ulmiの原産地は分かっていないが、おそらく中国であるとみられている。1986年の調査ではその証拠を見つけられなかったが、媒介者のキクイムシはよく見られた。 近年、これらの病原菌は北海道に普通に見られることが明らかになった。日本産O. novo-ulmiはO. novo-ulmi ssp. americana と呼ばれるアメリカ産系統である。日本ではこれらによる大量枯死は報告されていないが、人工接種試験ではハルニレ、オヒョウ、ケヤキ(ニレ科ケヤキ属)苗木の道管を侵すことが確認されている。
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