青変菌の駆除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 14:23 UTC 版)
殺菌剤の樹幹注入により青変菌を殺し病気の進行を止める方法。1970年代最初の殺菌剤として他分野でも広範囲に使われるカルベンダジムが投入されたが、この薬はこの病気にはほとんど効かなかった。数年後チアベンダゾールが現場に投入されこれはよく効く、ただしこの薬は根には効かないために罹病木と健全木の根の接触部分から侵入されるとお手上げである。最近ではプロピコナゾールなども使用されるが、この薬は感染初期に使用しないと効果が無いという報告もある。樹幹注入は2-3年毎の注入が必要であること、薬剤費用などが欠点であり、広範囲に用いるのは現実的ではない。 弱毒性の菌を前もって感染させると発病しないという人間の種痘やインフルエンザワクチンのようなものも実用化されている。感染させる菌はVerticillum albo-atrumと呼ばれる菌で病原菌と同じ子のう菌に属するが、ニレに対する病原性は持たない。この菌を春先に接種すると立枯病を発病せず、おそらく免疫応答の様なものが出来ているとされる。
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