薬剤費(やくざいひ)
病院や診療所などの医療機関で受け取る薬について、医療保険の適用によって患者が負担する薬代のほかに、それとは別に負担する薬剤費がある。患者は、薬代に上乗せして薬剤費を支払っているわけだ。
1997年に導入された薬剤費の別途負担は、薬に対する患者のコスト意識を高めることが目的だった。診療費と薬代は、医療機関の窓口で一定の割合(サラリーマンは2割、その家族は3割、自営業者は3割)を患者が負担するが、これとは別に、受け取った薬の種類数に応じて、定額の別途負担をすることになっている。
外来の患者が受け取った薬の種類に応じて、内服薬で1日分につき最高100円、外用薬で最高150円を支払う。
日本医師会は、患者の負担が増し、患者が受診を控えるようになると医療機関の収入が減少するとして、薬剤費の別途負担に反対してきた。そのため、1999年には、70歳以上の高齢者について、別途負担を廃止した。また、70歳未満についても、2002年度までに廃止する予定だった。
医療制度改革でサラリーマンの3割負担など患者負担の引き上げが先送りされたので、薬剤費の別途負担を廃止すると、200億円の国庫負担が発生すると試算されている。そこで、医療費の患者負担が引き上げられる2003年まで、別途負担を存続させるというわけだ。
(2001.12.13更新)
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