国債費とは? わかりやすく解説

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こくさい‐ひ【国債費】

読み方:こくさいひ

国債の発行後にかかるすべての費用。利払いや償還費用、事務取扱費の合計。


国債費(こくさいひ)

国債の利払いや償還(返済)に充てる経費を国債費と言う。一般会計に占める国債費は、1975年度で全歳出の5%だけだった。これが今日、1999年度では25%となっている。1999年の歳出合計の82兆円の中から、国債費としておよそ20兆円もあてられている。

(2000.11.01掲載)


国債費

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/06 16:57 UTC 版)

国債費(こくさいひ、英: national debt service)とは、日本の国の一般会計歳出において、国債・借入金の元本償還、利子・割引料の支払いおよび国債事務の取扱いに充てる経費である[1][2]。国債費は財務省所管の一般会計予算に計上され、その大部分は国債整理基金特別会計へ繰り入れられ、同特別会計を通じて国債の償還と利払いが行われる[3]。

2026年度当初予算では、国債費として31兆2,758億円が計上され、一般会計歳出総額122兆3,092億円の25.6%を占めた[4]。

予算上の位置付け

日本の一般会計歳出は、社会保障、公共事業、防衛、教育などに充てる一般歳出、地方交付税交付金等および国債費などによって構成される[4]。国債費は、当年度の政策や行政サービスに直接充てる経費ではなく、過去に発行した国債や借入金に関する元利払い等を予算へ計上したものである[5]。

基礎的財政収支(プライマリー・バランス)は、税収・税外収入と、国債費を除いた政策的経費との収支として算定される[5]。このため、一般会計の基礎的財政収支対象経費は、歳出総額から利払費と債務償還費のうち交付国債分を除く部分を控除した金額となる[6]。

国債費と、歳入に計上される新規国債発行額は異なる。2026年度当初予算では、国債費が31兆2,758億円であるのに対し、新規国債発行額は29兆5,840億円であった[7]。

内訳

国債費は、債務償還費、利子及割引料および国債事務取扱費から構成される[1]。2026年度当初予算における内訳は次のとおりである[1]。

2026年度当初予算における国債費
区分 金額 主な内訳
債務償還費 18兆2,086億円 公債等償還17兆8,942億円、借入金償還3,144億円
利子及割引料 13兆371億円 公債利子等12兆7,883億円、借入金利子688億円、財務省証券利子1,800億円
国債事務取扱費 300億円 国債の発行、登録、元利金支払いなどに伴う事務費
合計 31兆2,758億円

債務償還費

債務償還費には、公債および借入金の元本償還に充てるため、一般会計から国債整理基金特別会計へ繰り入れる金額が計上される[1]。公債等償還には、国債残高に基づく定率繰入、割引国債の発行価格と額面金額との差額に対応する発行差減額繰入、予算繰入などが含まれる[8]。

一般会計に計上される債務償還費は、その年度に満期を迎える国債の元本総額と同額ではない。満期償還に必要な金額のうち、一般会計などからの繰入れで賄われない部分については、国債整理基金特別会計が借換債を発行して調達する[9]。

利子及割引料

利子及割引料には、国債の利子、借入金の利子および短期の資金繰りのために発行される財務省証券の利子等が計上される[1]。利払費は、国債残高、国債の満期構成、既発債の表面利率、新規発行時の市場金利などの影響を受ける[6]。

償還の仕組み

国債の償還財源は、一般会計や各特別会計から国債整理基金特別会計へ繰り入れられ、借換債の発行収入、政府保有株式の売却収入および基金の運用収入などと併せて国債整理基金へ受け入れられる[3]。国債の償還はすべて国債整理基金を通じて行われる[3]。

60年償還ルール

一般会計で発行される建設国債と特例国債については、これらの借換債を含め、全体として60年間で償還を完了させる60年償還ルールが採用されている[3]。このルールに基づく一般会計からの主な償還財源は、次の3種類である[8]。

定率繰入
特別会計に関する法律第42条第2項に基づき、前年度期首における一般会計負担の国債等の総額の100分の1.6に相当する金額を繰り入れる[10]。
剰余金繰入
財政法第6条第1項に基づき、一般会計の決算上の剰余金のうち2分の1を下らない金額を、剰余金が生じた年度の翌々年度までに公債または借入金の償還財源へ充てる[11]。
予算繰入
定率繰入や剰余金繰入のほか、国債の償還に支障が生じないよう、特別会計に関する法律第42条第5項に基づいて予算で定めた金額を繰り入れる[10][8]。

60年償還ルールはすべての国債に適用されるものではない。復興債、GX経済移行債、子ども・子育て支援特例公債、先端半導体・人工知能関連技術債および財政投融資特別会計国債などには、それぞれの根拠法や償還財源に応じた別の償還制度が設けられている[3]。

推移と金利の影響

1990年度当初予算における国債費は14兆3,000億円であったが、2026年度には31兆3,000億円となった[2]。2026年度の国債費は前年度当初予算比10.8%増となり、6年連続で当初予算における過去最大を更新した[7]。

2026年度には、交付国債分を除く債務償還費が前年度比3.2%増の17兆8,898億円、利払費が23.9%増の13兆371億円となった[7]。予算上の利払費算定に用いる積算金利は、2025年度の2.0%から2026年度には3.0%へ引き上げられた[7]。

財務省が2026年度予算を基礎として行った機械的試算では、2027年度以降の金利が前提より1パーセントポイント上昇した場合、国債費は2027年度に0.8兆円、2028年度に2.1兆円、2029年度に3.8兆円増加するとされた[6]。同試算で金利が前提より2パーセントポイント上昇した場合の増加額は、2027年度に1.6兆円、2028年度に4.2兆円、2029年度に7.6兆円とされた[6]。

制度の沿革

国債整理基金特別会計は、日露戦争後に増加した国債の償還財源を確保するため、1906年度に国債整理基金特別会計法の施行によって設置された[12]。当初は一定額を毎年度繰り入れる定額繰入が採用され、1915年度には国債残高の一定割合を繰り入れる定率繰入が導入された[12]。

現在の60年償還ルールの基礎は1967年度予算で確立され、1968年の国債整理基金特別会計法改正によって、定率繰入率の1.6%への引上げ、予算繰入の法定化などが行われた[12]。特例国債は当初、借換えを行わず満期時に全額償還することとされていたが、1984年度から借換えが認められ、60年償還ルールの対象となった[12]。国債整理基金特別会計法は2007年に特別会計に関する法律へ統合されたが、基本的な減債制度は引き継がれた[12]。

制度をめぐる議論

1960年代の財政制度審議会では、減債基金について、国債償還への政府の姿勢を示して投資家の不安を抑え、国債発行への歯止めになるとの意見が示された一方、新規国債を発行しながら別途償還財源を繰り入れることは両建てであるとの意見も示された[12]。同審議会は最終的に減債制度を維持し、公債残高に応じた定率繰入を行う制度が適当であると結論付けた[12]。

60年という償還期間は、建設国債の対象となる資産が効用を発揮する平均期間を基礎として設定された[12]。参議院調査室の新藤裕俊は、当初の計算が1966年度予算の資産構成を基礎とし、1989年の再計算でも効用発揮期間が56年とされたことを示したうえで、資産構成や技術が変化しているため、償還期間の根拠を改めて検証する余地があると述べた[12]。

関連項目

脚注

  1. 1 2 3 4 5 “令和8年度財務省所管予算概算が決まりました”. 財務省 (2025年12月26日). 2026年8月7日閲覧。
  2. 1 2 “Japanese Public Finance Fact Sheet April, 2026” (PDF) (英語). Ministry of Finance, Japan (2026年4月). 2026年8月7日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 “債務管理リポート2026 第1章 国債、借入金” (PDF). 財務省理財局 (2026年6月). 2026年8月7日閲覧。
  4. 1 2 “令和8年度一般会計予算歳出・歳入の構成” (PDF). 財務省 (2026年). 2026年8月7日閲覧。
  5. 1 2 “基礎的財政収支とは何ですか。何が分かりますか”. 財務省. 2026年8月7日閲覧。
  6. 1 2 3 4 “令和8年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算”. 財務省 (2026年). 2026年8月7日閲覧。
  7. 1 2 3 4 山内美佳「当初予算として初めて120兆円を超えた令和8年度予算―歳出が拡大する中で問われる財政健全化に向けた取組―」(PDF)『立法と調査』第481号、参議院事務局企画調整室、2026年3月3日、3–18頁、2026年8月7日閲覧。
  8. 1 2 3 “特別会計ガイドブック 令和7年版 国債整理基金特別会計” (PDF). 財務省 (2025年). 2026年8月7日閲覧。
  9. ↑ “齋藤通雄氏に聞く、国債を巡る資金の流れと特別会計の基礎(後編)―借換債と特別会計”. ファイナンス. 財務省 (2024年5月). 2026年8月7日閲覧。
  10. 1 2 “特別会計に関する法律”. e-Gov法令検索. デジタル庁. 2026年8月7日閲覧。
  11. ↑ “財政法”. e-Gov法令検索. デジタル庁. 2026年8月7日閲覧。
  12. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 新藤裕俊「国債残高の増加が続く中での減債制度の在り方―国債整理基金特別会計の現状と沿革を踏まえて―」(PDF)『経済のプリズム』第247号、参議院事務局企画調整室、2025年9月4日、1–17頁、2026年8月7日閲覧。



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