電波灯台の実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 05:54 UTC 版)
「グリエルモ・マルコーニ」の記事における「電波灯台の実験」の解説
マルコーニは1899年3月、英国の電気学会で電波灯台の考えを発表している。パラボラ反射器による受信機を搭載した船が、電波灯台のサービスエリア内を航行するときに、パラボラ反射器を電波灯台に向けたとき、電波をキャッチしベルが鳴るシステムである。それからおよそ20年が過ぎた1920年、マルコーニとC. S. フランクリン技師はスコットランドのフォース湾にあるインチケイス島に電波灯台の実験施設を建設した。当初のアイデアとは違って、電波灯台側に回転するパラボラアンテナを置き、方位ごとに定められたモールス符号を送信する方式で、船の受信アンテナを無指向性の垂直ダイポールで済まそうとするものである。 1920年11月17日、汽船ファロス号を使って実用性を確認するための試験が行われた。電波灯台の回転パラボラビームが発する波長4m(周波数75MHz)の方位信号を受けながらフォース湾内を航行したところ、インチケイス島の近くでは電波が弱まることが分かり、回転パラボラビームの建設位置をもう少し低い場所に移す必要性を認めた。移設の際に二代目のビームアンテナに変えられたが、それはパラボラ反射器を背中合わせに2基配置した、まるでメリーゴーラウンドのような概観となり、物珍しさから無線雑誌などで注目を集めた。そして1923年にはインチケイス島の対岸のエジンバラとロンドン間を運行していた汽船ロイヤル・スコット号により実用化試験がはじまり、およそ1年間にわたりテストされている。
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