パラボラ反射器の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 05:54 UTC 版)
「グリエルモ・マルコーニ」の記事における「パラボラ反射器の研究」の解説
マルコーニとフランクリン技師はパラボラ反射器の研究に波長2m(150MHz)と3m(100MHz)の圧搾空気噴射式火花送信機を用いた。真空管の製造がスタートしたばかりで、まだ超短波まで動作する真空管は完成していなかったからである。この実験でパラボラ反射鏡のメッシュや開口長と、アンテナ利得の関係を繰返しテストし、メッシュ式のパラボラアンテナの基礎データを得た。ボートに積まれた波長2mと3mの受信機は鉱石式で、アンテナは無指向性の垂直型だったが、最終的に波長3mを使って、海上で10kmまで受信することができたという。この実験では空電ノイズはない代わりに、自動車やモーターボートのエンジンからの雑音妨害を強く受けることに気付いた。 さらに改良がすすめられ、1917年にカーナボンで行った波長3m(100MHz)のパラボラビームの試験では到達距離が32kmになった。この実験ではパラボラ送信機の設置場所を高くするほど到達距離が伸びることを認めた。 こうしてフランクリン技師が得たパラボラアンテナの知見は、1920年の電波灯台の実験や、1921年8月に完成した(前述の)波長15m(20MHz)のロンドン-バーミンガム回線(パラボラビームを互いに向け合った同時通話式の無線電話)の実用化試験に生かされた。
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