電機子チョッパ制御器の試用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 07:50 UTC 版)
「山陽電気鉄道270形電車」の記事における「電機子チョッパ制御器の試用」の解説
本形式で特筆すべき事項の一つに、1972年に富士電機の手で開発され281で長期実用試験が実施された、電機子チョッパ制御器の搭載がある。 2相2重チョッパ回路を合成周波数400Hzで動作させるこの制御器は、1969年に札幌市交通局向け地下鉄用試験車に同じ富士電機が供給した電機子チョッパ制御器の延長線上にあり、後述するように抵抗制御器を搭載する在来車と混用されたこともあって、チョッパ制御のメリットの一つである回生制動機能をオミットして力行専用とするなど、極めて簡素な主回路設計であった。だが、それでもこの制御器を搭載した281が営業運転に供されたものとしては阪神電気鉄道7001・7101形と帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)6000系に続く日本で3番目の電機子チョッパ制御車となったことは特筆に値する。なお、日本では史上唯一 の吊り掛け駆動方式チョッパ制御電車となった281だが、一般営業では抵抗制御器 搭載車と連結して運用されており、メンテナンス性の問題も少なかった模様で、そのまま1986年の廃車まで14年間にわたってこの制御器を使用し続けた。 なお山陽電気鉄道では、オイルショックと鉄鋼不況の影響で1970年代前半以降に乗客数が減少し、新造車の投入が1977年まで4年にわたり中断されたこと、その後も製造コストの削減が重視された ことなどから、281以外にチョッパ制御器は採用されず、抵抗制御から5000系の界磁添加励磁制御を経て、5030系でVVVFインバータ制御へ移行している。
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