電機子反作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 08:59 UTC 版)
界磁が作った磁束を、電機子電流(負荷電流)が乱す作用である。電機子電圧と電機子電流の位相差(力率角)によって様子が異なる。 交差磁化作用(横軸反作用) 力率が1の時、界磁極の回転方向前側の磁束を強め、後側の磁束を弱める作用である。 電動機の場合、磁束が回転子よりも進み、磁束は回転子を加速方向に引っ張る。 発電機の場合、逆に、磁束が回転子よりも遅れ、磁束は回転子を減速方向に引っ張る。 これは「磁力線には縮もうとする力が働く」というマクスウェル応力に基づいて、トルクが発生することに対応する。 増磁作用(直軸反作用) 力率が遅れのとき、磁束を強める方向で作用する。 減磁作用(直軸反作用) 力率が進みのとき、磁束を弱める方向で作用する。 なお、同期発電機と同期電動機で、増磁作用/減磁作用に対する電機子電流の進み/遅れは逆になる。この関係は、弱め励磁/強め励磁と無効電力を出すか取るかで理解すると統一できる。 界磁電流を絞った弱め励磁では、同期機が発生する電圧(無負荷誘導起電力)は系統の電圧(電機子電圧)よりも低く、同期機は系統から遅れの無効電力を吸収する。以下、遅れの無効電力を単に無効電力と書く。この場合、電機子反作用は増磁作用になる。同期発電機から見た負荷は進み力率(容量性)で無効電力を発生している。同期電動機なら電源から見て遅れ負荷(誘導性)で無効電力を吸収している。 界磁電流を多く流した強め励磁では、同期機が発生する電圧(無負荷誘導起電力)は系統の電圧(電機子電圧)よりも高く、同期機は系統へ無効電力を供給する。この場合、電機子反作用は減磁作用になる。同期発電機から見た負荷は遅れ力率(誘導性)で無効電力を吸収している。同期電動機なら電源から見て進み負荷(容量性)で無効電力を発生している。
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