電力不足問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 04:20 UTC 版)
2基の発電機の容量不足から頻繁に艦全体の停電が発生しており、6隻すべてが機関に何らかの問題を抱えているということが2016年1月に報じられた。改善案として新規に3基目のエンジンを追加する予定であるが大規模かつ高額な工事となる。これについて2016年6月7日に開催された英議会国防委員会において、ロールス・ロイスやBAEシステムズの幹部は「当初要求された条件よりはるかに過酷な状況での運用を強いられた」と主張。温度の高い環境をシステムが認識できず、タービンの発電能力が追い付かなくなってすべての電力が失われたと主張。一方英国防相の広報は、「45型駆逐艦は亜北極帯から熱帯環境まで、世界中で運航できる設計になっている。ペルシャ湾でも南大西洋でも1年を通して安定的に運航し続けている」と強調した。 最終的に2018年3月に1億6千万ポンドの契約を結び「プロジェクトネイピア」という名称で、船の船体を切断し、既存の2つの発電機を、船舶の推進力を提供できる3つの大型ユニットに置き換える改修を行うこととなった。前述の原因はノースロップ・グラマン製のインタークーラーの信頼性問題にあり、これにより一時的に推進力だけでなく、兵器、航行システムなどの発電を一時的に無効にし時折ほぼ完全な艦の停電を引き起こしていたとされた。2015年の時点で国防省は船舶がこの問題を経験していたことを認識していたという。最初に換装を行う「ドーントレス」では、2019年10月に作業が始まる予定だったが、3度の延期を経て、7ヶ月遅れの2020年5月から造船所での作業が始まった。
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