電力事業の縮小
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:39 UTC 版)
徳山ダムの水力発電に関しては再検討の結果、当初計画から規模が縮小された。当初は電源開発の徳山発電所として認可出力40万kWの揚水発電が計画されており、上池として徳山ダムを、下池として杉原ダムを建設して利用する予定であった。 杉原ダムは中部電力の発電用ダムであり、1982年(昭和57年)より堤高57mの重力式コンクリートダムとして計画された。徳山発電所の下池として利用するほか、杉原発電所を通じて2万4,000kWの発電を行う計画であった。補償交渉や住民移転も済んで本体工事着工も間近であったが、平成不況などの影響で電力需要が当初計画から伸び悩むようになり、採算性の問題が生じたことから事業を再検討した。その結果、杉原ダム・杉原発電所計画は2004年(平成16年)に中止となり、徳山発電所も当初の揚水発電から出力15万3,000kWの一般水力に縮小することが決定された。その後に2007年3月13日付で、徳山ダム完成後に事業主体を電源開発から中部電力に変更することが発表された。 徳山発電所建設工事では、2010年(平成22年)5月21日に落石事故が発生し、1名の作業員が死亡した。 徳山発電所は2014年(平成26年)5月15日に2号機が、2016年(平成28年)3月24日に1号機がそれぞれ運転を開始。2台の水車発電機を有し、ダム水路式で出力13万9,000kWの1号機と、ダム式で出力2万4,300kW(運転開始当初は2万2,400kW)の2号機とで構成され、2台運転時の出力は16万1,900kWである。
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