雷雨と雷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 08:40 UTC 版)
詳細は「雷雨」および「雷」を参照 電離層と地球の間の電位差は雷雨により維持され、落雷により大気から地面に負電荷が供給される。 積乱雲内の氷とあられの衝突により、雷の生成に不可欠となる正電荷と負電荷の分離が雲の中で起こる。雷が最初にどのように形成されるかは議論の余地があり、科学者は大気の摂動(風、湿度、大気圧)から太陽風やエネルギー粒子の影響まで根本的な原因を研究している。 平均的な雷は40kAの負の電流を流し(ボルトによっては最大120kAまで)、5クーロンの電荷と500MJのエネルギー、もしくは2か月弱の間100ワットの電球に電力を供給するのに十分なエネルギーを移す。電圧は雷の長さに依存し、大気の絶縁破壊は1メートルあたり300万ボルトで雷は多くの場合数百メートルの長さである。しかし、雷の先導の発展は絶縁破壊の単純な問題ではなく、雷の先導が伝播していくのに必要な周囲電場は絶縁破壊強度よりも数桁小さい場合がある。さらに、よく発展した復帰雷撃のチャネル内の電位勾配は、チャネルイオン化が激しいため1メートルあたり数百ボルト以下であり、結果として100kAの強い復帰雷撃電流に対してメートルあたりメガワットのオーダーの真の出力が得られる。 凝縮してその後雲から凝結する水の量が分かれば、雷雨の総エネルギーを計算することができる。平均的な雷雨では、放出されるエネルギーは約1千万キロワット時(3.6×1013ジュール)に達し、これは20キロトンの核弾頭に相当する。大規模で激しい雷雨はエネルギーがこの10~100倍になる可能性がある。
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