陶芸研究所(旧常滑市立陶芸研究所本館)
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1961年竣工の陶芸研究所(旧 常滑市立陶芸研究所本館)は、2015年にDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選ばれるなど、日本の近代建築史における歴史的・文化的価値が認められている。設計は日本の近代建築を代表する建築家の一人で、茶室の研究でも知られる堀口捨己。構造は、地下1階・地上2階建の鉄筋コンクリート造である。内部には吊り階段や茶室などの数寄の意匠や、2 階の和室と竹縁から古の窯跡につながっていく借景など、作陶の歴史と和の精神を緻密に組み入れており、古常滑を中心とした陶磁器の鑑賞と茶の湯を体現する空間として設計されている。また、展示室は採光窓のモールガラスから入る光を屋根裏に反射させることで、自然光が一日を通して平均して入るように計算されている。 外観の特徴としては、グラデーション状に配された紫系統のモザイクタイル、壁から3.5m張り出した庇、屋上から突き出したトップライト(天窓)が挙げられる。堀口は数寄屋造り等の伝統建築の美意識を範として、これらの要素を左右非対称に配置した。一方で、建材には当時の最新素材であったガラスブロックやプラスチックパネル、カラコンモザイクタイルなどが積極的に用いられており、「近代建築と伝統技法の融合」という堀口の設計思想を読み取ることができる。
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