防空壕 (江戸川乱歩)
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『防空壕』(ぼうくうごう)は、江戸川乱歩が発表した短編小説。
概要
1955年(昭和30年)、『文藝』七月号に掲載された。乱歩が戦争中に夜間空襲を受けた体験を描いて、意外な結末をつけたものだそうである[1]。
あらすじ
太平洋戦争末期、市川清一は、空襲の中防空壕に避難する。そこで懐中電灯で奥を照らすと、一人の女性がいた。彼女は驚くほど美しい女性だった。空襲が続く中、二人は防空壕の中で激しく愛し合う。しかし、翌朝女性の姿は消えてしまった。清一は夢だったのかと考えるが、どうしても女性に再び会いたくてしょうがない。清一は再びその防空壕を訪れ、同じ日、そこに隠れていたという50歳過ぎの老婆宮園トミに出会う。清一が女性のことを尋ねると、トミは「そんな女は知らない」と答える。結局、清一は女性の正体を知ることはなく、その一夜の出来事は永遠の謎として残された。その後、トミは意外な事実を語り手に語る。
収録作品
脚注
出典
- ^ ちくま文庫の自作解説より
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