月と手袋とは? わかりやすく解説

月と手袋

作者江戸川乱歩

収載図書月と手袋 〔新装版
出版社春陽堂書店
刊行年月1987.7
シリーズ名江戸川乱歩文庫

収載図書三角館の恐怖
出版社角川書店
刊行年月1987.8
シリーズ名角川文庫

収載図書堀越捜査一課長殿
出版社講談社
刊行年月1989.2
シリーズ名江戸川乱歩推理文庫

収載図書明智小五郎全集
出版社講談社
刊行年月1995.6
シリーズ名大衆文学

収載図書江戸川乱歩短篇 2 本格推理
出版社筑摩書房
刊行年月1998.6
シリーズ名ちくま文庫

収載図書月と手袋―江戸川乱歩全集 第18巻
出版社光文社
刊行年月2004.10
シリーズ名光文社文庫


月と手袋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/01 23:06 UTC 版)

月と手袋』(つきとてぶくろ)は、江戸川乱歩の著した短編探偵小説である。1955年昭和30年)、『オール讀物』に掲載された。

明智小五郎作品の一つであるが、本人自身は登場しない。いわゆる倒叙形式を採用している。

あらすじ

高利貸しで元男爵股野重郎は弱みを握った芸能人に金を貸して、私腹を肥やし、かつて少女歌劇団男役をつとめたことがある元女優のあけみを妻にしていた。シナリオライターの北村克彦は、そのあけみと恋仲になり、いつしかその関係は股野の知るところとなる。

ある日、股野に呼び出された北村は「今後、あけみと会わないように」と言い渡され、法外な慰謝料を要求される。さらに、股野があけみに制裁を加えることをほのめかし、北村にも暴力を振るってきたので、北村は股野を殺してしまう。北村は定時に付近を警察官がパトロールに来ることを思い出すと、偽装工作を思いつく。それはあけみを強盗に仕立て、外で北村が強盗の存在に気がついたようなふりをして、パトロール中の警察官の注意をひき、2人が股野の家に乗り込んでいる間にあけみは扮装を解き、強盗に押し込められたように衣装箪笥の中に入り、自らを縛るというものであった。北村の偽装工作は成功し、警察の捜査は行き詰まってしまう。

北村は大胆にも股野の家に住むようになり、股野が残した財産であけみと悠々と暮らすようになる。やがて、北村とあけみの下に警視庁の花田警部が訪れるようになる。花田は北村とあけみと打ち解け、友達付き合いをするようになるが、次第に花田は北村の偽装工作を見ぬいたかのようなそぶりを見せるようになる。

登場人物

北村 克彦(きたむら かつひこ)
シナリオライター。35歳。股野の妻のあけみと不倫している。
股野 あけみ(またの あけみ)
元女優で重郎の妻。北村と愛し合うようになる。
股野 重郎(またの しげお)
元男爵の高利貸し。42歳。芸能界に影響力を持っている。
花田警部(はなだ)
警視庁の警部。明智小五郎とは知り合い。股野の死後、北村とあけみのもとを訪れ、友人のように付き合う。
明智 小五郎(あけち こごろう)
名探偵。警視庁捜査一課に助言をおこなっている。

収録作品

  • 角川文庫『三角館の恐怖』 1974年1月
  • 光文社文庫『江戸川乱歩全集第18巻 月と手袋』2004年ISBN 978-4-33-473771-9
  • 集英社文庫『明智小五郎事件簿 戦後編II「化人幻戯」「月と手袋」』2022年1月ISBN 978-4-08-744347-9

外部リンク




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「月と手袋」の関連用語

月と手袋のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



月と手袋のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの月と手袋 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS