開業時の状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 09:55 UTC 版)
尾張電気軌道株式会社では、当初、1912年3月15日頃の開業を目指していたが、諸々工事の遅れによって、4月15日に同社が保有する八事遊園地において開通式を挙行することとし、ようやく同年4月16日までに軌道敷設工事及び変電所工事、愛知県保安課の検査を終えた。しかし、名古屋逓信管理局による検査で不備が見つかり、4月20日午後8時にようやく「認可書」が同社に到着した。このため、開通は翌4月21日となり、早朝に車両の試運転を行って、同日午前8時より5両をもって営業を開始する。 尾張電気軌道の開業日(1912年4月21日)の様子について、「新愛知新聞 1912年4月22日号」によると、『何分、日曜日の上、郊外散策に適当なる好日和なりしをとて八事山行きの人々群集して忽ち満員を告げ、午後更に一両を増加運転せしも容易に衆客を輸送すべくもあらず、頗る好況を呈したるは先づ開業初日として会社の為め、多幸なりと云ふべし。斯くして当日は諸準備未だ不行届の為め、午後七時限り運転を中止せしも、本日以降は午前五時より午後九時迄運転し、使用の車両も必要に応じて暫次一、二両宛増加運転する予定の由。』と報じられた。 なお、八事(興正寺前)から天道に至る一区間は工事が遅れて、1912年9月19日に延伸工事を終えている。
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