鍬形発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 15:27 UTC 版)
松阪電気最初の発電所は鍬形発電所である。所在地は多気郡津田村大字鍬形(現・多気町鍬形)。松阪水力電気の開業とともに1906年(明治39年)10月に発電を開始した。 櫛田川に建設された水力発電所の一つ。川を横断する堰堤を設けて4.174立方メートル毎秒を取水し、蛇行する川を短絡する形で右岸に960メートルの水路を通し10.0メートルの有効落差を得て発電するという仕組みである。出力は270キロワットで、フォイト(ドイツ)製のフランシス水車とブラウン・ボベリ(スイス)製の交流発電機各1台を備える。発生電力の周波数は50ヘルツであったが、合同電気時代の1932年(昭和7年)に60ヘルツへ変更されている。 合同電気以降は東邦電力、中部配電を経て1951年より中部電力に帰属したが、水車の暴走事故で破損し1961年(昭和36年)12月に廃止された。廃止後水利権および水路は三重県企業庁に移管され、発電所跡は農業用水供給用の沈砂池となっている。
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