鉄筋コンクリートの強度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/13 02:35 UTC 版)
「ジョゼフ・モニエ」の記事における「鉄筋コンクリートの強度」の解説
モニエの出身地の南フランスには古代ローマ時代の建造物が今でも数多く残っている。古代ローマ人はPozzolanaと呼ばれる火山灰を使ってローマン・コンクリートと呼ばれるコンクリートを作り、建築をした。しかし原料の調達が困難で、このコンクリート技術はやがて失われていった。 1820年代にイギリスでポルトランドセメントが開発されると、コンクリートの使用がヨーロッパで復活した。 モニエ自身は仕組みを理解していなかったが、モニエのアイデアの重要な点は、コンクリートと鉄を組み合わせることで、それぞれの建材の長所が引き出されることにあった。 コンクリートは圧縮強度や破砕強度が高い一方で、せん断強度は不十分で、引張強度はかなり弱い。鉄は逆に引張強度が高く、靱性が高いのでせん断強度に優れる。この両者を組み合わせることでお互いの欠点を補い合い、圧縮にも引張にも強い建材となった。 これは、鉄筋コンクリートが水平面に使用されて大きな重量を支えることが可能になったことを意味する。これによってコンクリートでは用いられなかったような、梁、床、薄い壁などの用途にも鉄筋コンクリートを使用できるようになった。 実際の施工の面でもメリットがある。鉄は加工が容易ではないし、複雑な成型をしようとするとコストが高くつくが、コンクリートは安価で成型も自由である。そのため針金や鉄筋のように基本的で一律な形に整えた鉄を組織状に組み合わせ、コンクリート同時に用いることで、コストを抑えながら、強度を高めてさまざまな形状の建築を実現できる。 詳細は鉄筋コンクリートを参照。
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