金銅飲食器
主名称: | 金銅飲食器 |
指定番号: | 2562 |
枝番: | 03 |
指定年月日: | 1995.06.15(平成7.06.15) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | |
員数: | 1口 |
時代区分: | 平安 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 飲食物を供え香を焚くことは、花を捧げ燈明を灯すこととともに、仏を供養する基本とされるが、飲食器、火舎はこの仏供養に用いられる供養具である。すなわち飲食物を供える器が飲食器であり、その祖形は安定をはかるための鉢支【はつし】(支台)上に鉢を据えたところにある。また火舎は香を焚く器である。飲食器二口のうち一口は銅製鋳造鍍金【ちゆうぞうときん】、一口は銅製鍛造【たんぞう】で、ともに鋺部・台脚上部・台脚下部の三部材を接合している。また火舎は蓋・火炉【かろ】ともに銅製鋳造鍍金で、底部三か所に別製の脚三本を接合していたと考えられるが、現状ではいずれも欠失している。 飲食器については、細部の仕様や作風にも若干の差異があるけれども、鋺部と台脚部とを別製して接合するという、鉢支付き鉢から発展をへた古制をとる点や、内に反った口縁、口径に比べて浅い鋺、丈が低く腰の締まった台脚の形姿など、あい通ずる古様さを示しており、ともに平安時代後期の様式的特徴を備えた、飲食器の現存最古例とみなされる。火舎についても、鎌倉時代の作例に比べ甲盛【こうも】りが緩やかである点などに古様が認められ、飲食器とほぼ同時期の製作になるものと考えられる。 さらには、比較的小形の遺例が多いなかにあって、飲食器・火舎ともに最大級の堂々たる大きさを誇ることも特筆され、雄大な気分をたたえた供養具の古例として、本件は重要な存在意義を有している。 |
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