金蛇郎君とは? わかりやすく解説

夏雪宜

(金蛇郎君 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/07 00:46 UTC 版)

金庸小説の登場人物
夏雪宜
姓名 夏雪宜
称号 金蛇郎君
小説 碧血剣
弟子 袁承志(実質的に)
家族 温儀(妻)
夏青青(娘)
武術
得意技 金蛇秘笈の武芸
金蛇剣法
武器 金蛇剣
金蛇錐
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夏雪宜(か せつぎ)は、金庸武俠小説碧血剣』に登場する架空の人物。「金蛇郎君」の異名を持ち、もっぱらこの名前で呼ばれることが多い。

ヒロイン、夏青青の父親にして主人公である袁承志の第二の師匠。「復讐のために生きる」という点では袁承志と同一ながら、様々な点で袁承志とは対照的となっている。既に故人であるため、直接的に物語に登場することはないが、伝聞形式で彼の活躍がいくつか語られた。

性格

非常な美男子で性格は傲慢。「武林の奇俠」「金蛇郎君」の異名を持つ。復讐のために罪なき人間に危害を加えることも辞さない悪辣な面もある。だが、反面で義俠の行いに出ることもあり、焦公礼が11人の仙都派に襲われているところを救出している。そのため、「正邪の境目にある人間」と評されており、一概に善人であるか悪人であるかは判断できない。

情の深い人間であったようで、恋人の温儀を歌を唄って慰め、ずっと一緒にいてくれるかと訊かれると、大声で叫んだりとんぼ返りをしたりして喜びを表現している。また、彼の遺言には温儀に10万両を贈与することと温儀に対する愛情が記されており、温儀たちを感激させている。逆に言えば、この情の深さが温家に対する異常とも言える復讐心のもとにもなってしまったとも見られる。

生涯

生年、没年ともに不明。ただ、1624年ころの時点で当時26歳の温南揚が「自分より数歳年下」と評しているので、だいたい1600年ころの生まれ。また、13歳の袁承志(当時1636年)が華山で金蛇郎君の墓を発見しているが、既に死体は白骨化していたので、これより前に死亡したと考えられる。

幼いころ、温方禄によって姉を陵辱され、さらに一家5人をことごとく殺害される。復讐として温家の人間を50人殺し、温家の女性10人を辱めることを決意。修行時代は雲南まで赴き、五毒教に接触している。このとき、教主の妹であった何紅薬と情を交わし毒物の知識、さらには金蛇剣や財宝の地図などを入手する。何紅薬は本気で金蛇郎君を愛したようだが、金蛇郎君はあまり本気ではなかったらしくきっぱり忘れている。

1624年ころから復讐を開始。手始めに温方禄を殺すと、死体を温家に送りつけこれから温家の人間を49人殺し、女性を10人辱めることを宣言し、温家を恐怖に陥れた。当然温家も防衛はしていたが、金蛇郎君は根気強く、数年をかけて少しずつ温家の人間を殺害していった。

だが、誘拐した温儀に対して愛情を持ち始め、残り10人を殺すことなく復讐を断念する。結局は温家の卑劣な罠にはまり、再起不能となってしまった。

のち、袁承志は華山で金蛇郎君の墓を発見。彼の残した武芸を身につけ、金蛇郎君に替わって温家の復讐を果たすとともに、温儀に遺言を伝えたりしている。

武功

武芸については卓越していたようであり、彼の残した金蛇秘笈には上乗の武術が記載されていた。一度温家の五行陣に敗北すると「後に発して人を制す」という武術の奥義に到達している。これによって金蛇郎君の実質的な弟子である袁承志は五行陣を破ることに成功している。

また、すでに再起不能となっておりながら金蛇剣を岩に深く突き刺すという力を披露していることから、内功に関しては混元功を大成させた袁承志と互角以上であると推測される。

家系図

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
温方達
 
温方義
 
温方山
 
温方施
 
温方悟
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
袁崇煥
 
 
夏雪宜
 
温儀
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
袁承志
 
 
 
 
夏青青
 
 
 
 
 
 

演じた俳優

映画
テレビドラマ

金蛇郎君(きんじゃろうくん)

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碧血剣」の記事における「金蛇郎君(きんじゃろうくん)」の解説

武林の奇俠。本名夏雪宜(か せつぎ)であるが、もっぱら金蛇郎君の名で呼ばれている。非常に美男子であり、五毒教の何紅などと恋愛沙汰になっていたりもした。正邪区別付かない行動をする。子供の頃温家に一族皆殺しにされ復讐誓ったが、温儀と恋に落ち半ば断念する

※この「金蛇郎君(きんじゃろうくん)」の解説は、「碧血剣」の解説の一部です。
「金蛇郎君(きんじゃろうくん)」を含む「碧血剣」の記事については、「碧血剣」の概要を参照ください。

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