重油専焼化と石炭再転換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 17:01 UTC 版)
港発電所では1960年の新設以来、石炭産業育成政策に沿って三池炭鉱の石炭を活用していたが、その後の出炭状況悪化や硫黄酸化物排出基準強化などの環境変化があり、これに対処するため燃料を重油へ転換する工事が順次施工された。まず2号機が施工され、1972年5月28日より石油火力発電所として運転を開始。1977年(昭和52年)4月1日には1号機の転換も完了した。 ところがオイルショック後の脱石油政策の一環として、施工間もない1号機について再び石炭火力発電へ転換することとなり、1981年(昭和56年)10月に再転換工事が始められた。先の重油専焼化工事の際に石炭関連設備を撤去していたため工事は大規模なものとなり、石炭運搬設備・石炭燃焼設備や環境規制強化に対応した排煙脱硫装置・排煙脱硝装置・電気集塵機が新設されている。1983年(昭和58年)4月21日に石炭専焼化工事が完成し、港発電所1号機は石炭火力発電所へと戻った。ただし使用石炭は排煙規制のため三池炭に低硫黄の海外炭を50パーセント混合したものに変わっている。 一方2号機は原油専焼のまま維持されたが、設備老朽化や電源の多様化によって稼働が減少し、1989年(平成元年)4月1日付で廃止された。
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