醸造適性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 23:15 UTC 版)
酒への醸造のしやすさのこと。「醸造適性が高い」などと表現される。「醸造適正」「酒造適性」などと書かれることも多い。内容としては、心白発現率の大きさ、精米特性の態様、製麹性すなわち麹への造りやすさ、破精込み(はぜこみ)の良し悪し、蒸米吸水率、粗タンパク質含有率などが挙げられる。 米が豊作の年には、米の質の関係から、醸造に失敗しやすい事もある。これは豊作の年の米が比較的硬いため、酒を造る時に米が溶けにくく酵母が充分繁殖するのに時間がかかり、その間に雑菌が繁殖してしまうためだとされる。大正4年(1915年)には、この現象(後に「大正の大腐造」とも呼ばれたという)により日本各地で醸造に失敗、酒造業全体に深刻なダメージを被ったとされている。反対に、不作の年は、酒を造る杜氏の大半が農家出身であるために、不作の年は貴重な米を特に大切にして丁寧に酒を造り、不作の年は米が軟らかいために、酒の醗酵が早まりやすくなるものの、それを抑えるために低温で仕込むので非常に良い酒ができやすいとされる。
※この「醸造適性」の解説は、「酒米」の解説の一部です。
「醸造適性」を含む「酒米」の記事については、「酒米」の概要を参照ください。
- 醸造適性のページへのリンク