酸化マンガン(Ⅳ)とは? わかりやすく解説

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マンガン(IV)ジオキシド


物質名
酸化マンガン
化学式
MnO2
原子量
86.9
融点(℃)
553
密度(g/cm3
5.03


二酸化マンガン

(酸化マンガン(Ⅳ) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/20 08:54 UTC 版)

二酸化マンガン

泥質石灰岩の割れ目に生じた二酸化マンガンの樹枝状結晶
識別情報
CAS登録番号 1313-13-9 
PubChem 14801
EC番号 215-202-6
特性
化学式 MnO2
モル質量 86.94 g mol−1
外観 黒色固体
密度 5.026 g/cm3
融点

535 °C, 808 K, 995 °F (分解)

熱化学
標準生成熱 ΔfHo -520.9 kJ/mol
標準モルエントロピー So 53.1 J K-1 mol-1
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 0175
EU分類 有害 (Xn)
EU Index 025-001-00-3
NFPA 704
0
2
1
OX
Rフレーズ R20/22
Sフレーズ S2 S25
関連する物質
その他の陰イオン 二硫化マンガン
その他の陽イオン 酸化テクネチウム(IV)
酸化レニウム(IV)
関連するマンガン酸化物 酸化マンガン(II)
酸化マンガン(II,III)
酸化マンガン(III)
酸化マンガン(VII)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

二酸化マンガン(にさんかマンガン、manganese dioxide)または酸化マンガン(IV)(さんかマンガン(IV)、manganese(IV) oxide)は、化学式が MnO2 と表されるマンガン酸化物である。酸化剤乾電池無機触媒として利用されている。「二酸化マンガン」と一般には呼ばれるが、実際には不定比化合物であり、MnOx (x = 1.93-2) 程度の組成を持つ。二酸化マンガンは主にマンガン電池リチウム電池の正極に使われる。また酸化剤、染料マッチ、乾電池、マンガン鋼の材料として利用される。

鉱物としては、軟マンガン鉱ラムスデル鉱英語版アフテンスク鉱英語版として産出するが、軟マンガン鉱以外は希産である。

歴史

マンガンが1774年元素として発見されるはるか昔から、二酸化マンガンは鉱物として利用されてきた。

旧石器時代には使用されていたとみられ、フランス南西部のペック・ド・ラゼ洞窟遺跡からネアンデルタール人が用いた5万年前の二酸化マンガンの塊り(筆記具)が発見されている(英語版・先史)。日本では北海道の「柏台1遺跡」からは2万年前の毛皮の着色料として、赤色顔料(褐鉄鉱と赤鉄鉱)と黒色顔料(二酸化マンガン)が用いられた可能性が提示され、両顔料の原石は近くの遺跡である「丸子山遺跡」と帯広市「川西C遺跡」から見つかっている[1]。同時代の東・北アジアでは壁画が見つかっていないため、黒色顔料の使用自体が貴重な発見とされる(前同 p.121.)。

古代ローマの博物誌家である大プリニウス (Gaius Plinius Secundus) の『博物誌』には、ガラスを無色透明にするために黒色の粉末を用いるとの記述がある。この黒色の粉末とは軟マンガン鉱 (Pyrolusite) であり、不純物を 10% から 20% 含むほかは二酸化マンガンそのものである。二酸化マンガンを用いて、ガラス中にある2価のイオンの緑色を消していたことになる。現代でも同じ用途に二酸化マンガンを用いている。

二酸化マンガンは、塩素の発見にも役立った。1774年スウェーデンの化学者シェーレが濃塩酸中に二酸化マンガンを加えると、塩素が発生することを見出した。



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