通常動力推進攻撃潜水艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 07:25 UTC 版)
「中国人民解放軍海軍」の記事における「通常動力推進攻撃潜水艦」の解説
通常動力推進攻撃潜水艦(SS)は、推進動力がディーゼル・エレクトリック推進という点を除き、SSNと同様の対艦攻撃を主任務とする。中国海軍は、ディーゼル・エレクトリック推進の攻撃潜水艦の充実を、潜水艦戦力近代化の支綱と考えている。比較的に近代的とされている中国海軍のSSは、キロ型(877EKM/636/636M型)12隻及び宋級(039/039G型)13隻である。 静粛性については、アメリカ海軍情報局の調査報告書の挿入図には、キロ型及び宋級の静粛性のレベルが評価されている。まずキロ型であるが、877EKMの前期型と636/Mの後期型では評価が異なっている。前期型は静粛性が大きく劣っていて明級(035型)と同等の静粛性と評価されている。それに比べ後期型では大きく改善され中国及びロシアで建造されたディーゼル・エレクトリック推進の潜水艦で最も静粛性が有ると評価されている。 次に宋級については、静粛性のある後期のキロ型と静粛性の劣る明級の丁度中間あたりに位置しており、決して優れたものではないとされる。 水中速力については、ジェーン海軍年鑑では、キロ型が17ノット、宋級が22ノットと推測されている。この数値は、西側の通常動力潜水艦とほぼ同等である。 ソナーについては、キロ型・宋級ともに艦首と側面にアレイパッシブソナーを装備する一方で曳航式アレイソナーは装備してない模様である。パッシブモード下の遠距離捜索能力が幾らか向上しているかもしれない。 キロ型の武装については、キロ改良後期型(636M型)のみクラブSミサイルが魚雷発射管から発射可能である。SIPRIの調査によると、2005年から2009年にかけてロシアから中国にクラブSミサイルの対艦型3M-54E(SS-N-27B)が150発輸出されたとしている。この150発のうち、どれくらいかは不明だが対地攻撃型の3M-14E(SS-N-30B)が含まれている可能性が有るとしている。3M-54Eは対艦終末超音速型の対艦ミサイルで、射程は約220kmである。攻撃目標から約20kmに接近するまではターボジェットで亜音速飛行する。攻撃目標から約20kmに接近するとターボジェットの後段を捨て前段部の固体ロケットで超音速に加速され目標に突入する。魚雷は、国産のものが使用できず、ロシア製TEST-71(20km/24~40ノット)や53-65(12km/68.5ノットまたは22km/44ノット)を搭載する。 宋級の武装については、対艦ミサイルYJ-82が魚雷発射管から発射可能である。魚雷は、商級と同様にYu-6魚雷を搭載している。
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