追加鍵盤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 01:48 UTC 版)
「ベーゼンドルファー・モデル290」の記事における「追加鍵盤」の解説
ベーゼンドルファーは、作曲家フェルッチョ・ブゾーニから拡張された音域を持つモデルの製造を提言されたことを受けて、1909年に最初のインペリアルを製造した。ブゾーニはヨハン・ゼバスティアン・バッハのオルガン作品を編曲するために音域の拡張を求めていた。一部の大型オルガンで利用可能な32のフット・レジスターをまねるため、ブゾーニはC0を最低音とする全オクターブを必要としていた。 ベーゼンドルファー・インペリアルは97鍵(8オクターブ)を備える。これは92鍵(最低音F0)を有するベーゼンドルファー225とは大きく異なっている。ピアノの低音部(すなわち左側)の追加鍵盤は88鍵ピアノの通常の鍵盤と区別できるように黒色をしている。元々はピアニストがうっかりと余分な音を弾かないように取り外し可能なパネルで覆われていた。これらの鍵盤はほとんど使われることはないものの、追加の低音弦は全体の豊かな音色に寄与する追加の倍音共鳴を作り出す。追加鍵盤を利用することが意図された楽曲も作曲されている。 ピアニストでワシントン大学音楽学部長のRobin McCabeは演奏者が追加鍵盤に適応する課題を以下のように説明している: 「言ってみれば、ある人の『南側の視線』は低音部の追加部分が原因でひどくゆがんでしまう。例えば、ドビュッシーの『喜びの島』といった楽曲をピアノの低いAへ急降下する最後の動作で終えるのは、このピアノの最低音がAではないのでやや問題となってしまう!」。伝えられるところによれば、「290は少し気難しいスターで、弾き方を理解していないピアニストの手にある時は荒々しく不快で耳障りな音を出す。弾き方を理解しているピアニストにかかれば見事に洗練される」。
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